このページの本文へ

cTDPはRyzen世代APUでも効果アリ?前世代との性能差に驚愕

2018年12月29日 11時00分更新

文● ふっけん アスキー編集部●ジサトラ ハッチ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Ryzen 3の消費電力は元が低いのでcTDPの効果はほぼない

 cTDP有効時にCINEBENCH実行時の消費電力がどのように変化するのか確認してみた。

 注目の消費電力だがマルチスレッドのRyzen 5 2400GではcTDPを低く設定するにつれ下がっていることがわかる。 一方、Ryzen 3 2200Gではほとんど変化がない。この2つのCPUはTDP65Wであるが、cTDP無効時の消費電力はRyzen 5 2400Gが100Wに対しRyzen 3 2200Gは69Wと元々低いのだ。つまり、元々TDPが低い為にcTDPの枠に引っ掛からないのかもしれない。これならば前項のスコアの変化が小さい点についても合点がいく。

 シングルスレッドではRyzenAPUの消費電力はFM2+世代の2モデルよりもずっと低く、cTDPによる差がほとんど出ない。

CPUの温度は消費電力と同じような傾向

 次にcTDP有効時にCINEBENCH実行時のCPU温度がどのように変化するのか確認してみた。

 CPU温度は概ね消費電力と同じ傾向がある。RyzenAPUはFM2+世代のモデルよりも全体的に低めであった。FM2+の2モデルはcTDPによる下がり方が大きく、当時の小型PCでcTDPが注目されていた理由がよくわかる。

 Athlon 200GEとA12-9800Eは全コアのフルロードで33℃前後と恐ろしく温度が低く、凄いとしか言いようがない。

 シングルスレッドではマルチスレッドよりも発熱が低く、cTDPの枠に引っ掛からないようで、A10-7850Kの45Wを除けばcTDPの有無による温度差はほとんどなかった。

RyzenAPUは消費電力が低いながらもFF14のスコアが高い!

 ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)はメジャーアップデートを繰り返しており、紅蓮の解放者で第4世代となる。今回は解像度1920×1080ドット、ウインドウ表示、高品質(デフォルト)の設定で比較してみた。

 RyzenAPUとその他を二分するようなスコアとなった。cTDPによるスコアの変化はほぼない。A10-7850KとA8-7600の45W設定でわずかに下がっているくらいだろう。RYZEN 5 2400Gのスコアは上記の設定で「快適」、RYZEN 3 2200Gは「やや快適」評価となっており、APUだけでも十分に楽しめる性能を持っている。

 消費電力はAthlon 200GEを含むRaven Ridge世代のCPUとそれ以外のグループに分かれた。Raven Ridge世代の方が低くcTDPによる消費電力の変化はない。対して、FM2+世代の2モデルは順当に下がっていることがわかるが、最も低い45W設定でもRyzenAPUのcTDP無効時(65W)に及ばない。

 CPU温度はFM2+の2モデルが高くある程度はcTDPの効果が見られた。RyzenAPUに関してはRyzen 5 2400Gの35Wで効果が見られたが、Ryzen 3 2200Gでは効果が見られないという一貫しない結果となった。 原因は不明だがCPU使用率とRyzen 5 2400GのSMTに関係があるのかもしれない。

 これらの結果からFF14をプレイするならRyzenAPUの2モデルが最適であろう。Athlon 200GEなら更に消費電力と発熱を抑えることができるが、1920×1080ドットの解像度でプレイするにはもう少し性能が欲しいところだ。

カテゴリートップへ