追加投資ゼロで発熱・消費電力を手軽に抑えられる「cTDP」
cTDP(Configurable TDP)という機能を覚えておられるだろうか? Kaveri世代の一部のAPUから採用されたTDPをコントロールする機能であり、追加投資ゼロでUEFIの設定だけで使用することができる。
性能をあまり落とさずに発熱と消費電力を抑えることができ、特にMini-ITXなどの小型ケースやスリムケース、常時稼働のパソコンなどを扱うユーザーに歓迎されたのだ。そんなcTDPだがRyzen世代の最新APUであるRyzen 3 2200G/Ryzen 5 2400GもcTDPの対応も謳われている。そのため、最新のRyzenAPUでどれくらいの効果があるのか気になるので、その効果を見ていきたい。
cTDPを使用するために必要なもの
cTDPを使用するには同機能をサポートするマザーボードが必要となる。ただし、マザーボードメーカーのホームページに直接記載されていないことが多いので、マニュアルをダウンロードしてBIOSの設定項目などで機能の有無を確認しよう。
APUもcTDPに対応するものが必要となる。ただし、必ずしも対応を謳っているモデルである必要はなく、cTDP対応のAPUでなくともマザーボード側で設定をすることによって動作させることが可能である。以前、日本AMDの店頭イベントで伺った際には公式でcTDP対応を謳っているモデルはこの機能に最適化されており、TDPを下げたときの性能の低下が少ないそうだ。
また、余談だが今回検証を行なう前に、アスキー編集部からcTDPに関してASUS、ギガバイト、MSI、ASRockの4社にマザーボードの対応について問い合わせ行なった。ASUSはデフォルト設定を推奨するため非対応、ギガバイトもAPUは非対応、MSIは対応しているが通常のBIOSには設定項目はないとのこと。4社のうち正式に対応しているのは、ASRockのみとなる。
今回はAM4環境にASRock製「B450M Pro4」を、比較用のFM2+環境に同メーカーの「A88M-G/3.1」チョイスした。どちらもMicroATX対応のマザーボードであり、cTDPを活かしたスリムPCを組むのに最適だろう。