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Cognitive Servicesと富士フィルムの独自開発AIモデルで構成

「Azure Durable Functions」でサーバーレス実装、日本野球機構が写真の選手特定AIを採用

2018年11月28日 09時30分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 一般社団法人日本野球機構(NPB)は2018年11月26日、同団体が管理運営するプロ野球公式写真の貸し出しサービス「NPB CIC(Contents Images Center)」に、試合写真に写っている選手名をAIで自動タグ付けする「選手名情報自動タグ付け機能」を実装したことを発表した。同機能のAIは、Microsoft Azureの学習済みAI「Cognitive Services」と、深層学習フレームワーク「Microsoft Cognitive Toolkit」で作成した独自判定モデルを使っており、画像解析システムは「Azure Durable Functions」を用いたサーバーレスアーキテクチャでAzure上に構築している。

 NPBは日本プロ野球のセ・リーグとパ・リーグを統括する団体。NPBが管理運営するNPB CICは、プロ野球各球団が所有する写真資産を一元管理し、写真を利用したいゲーム会社やグッズメーカーなどの取引先に貸し出しを行うサービスだ。写真の貸し出しにあたって、利用者が検索しやすいように各写真に写っている選手を特定してタグ付けをしている。従来、1試合で約3000枚撮影される写真から300枚程度を選別する作業と、写真に家っている選手を特定してタグを付ける作業は人力で行っており、1試合あたり約4時間の時間を要していた。AIを活用することで、1試合あたりの作業時間が30分にまで短縮できるとする。

 「選手名情報自動タグ付け機能」は、2018年6月から広島東洋カープなど5球団で試用を開始しており、2019年にはセパ両リーグの全球団が利用を開始する予定だ。

「選手名情報自動タグ付け機能」操作画面

複数のAIモデルで選手を判別、画像解析処理をサーバーレスで実行

 NPB CICは、富士フィルムイメージングシステムズが運営する法人向け画像コンテンツ共有・管理サービス「IMAGE WORKS」上に展開されている。今回、Cognitive ServicesのAIの実装、およびMicrosoft Cognitive Toolkitを使った独自判定モデルの開発と実装は、IMAGE WORKSの開発元である富士フィルムイメージングシステムズが手掛けた。

 具体的には、Cognitive Servicesの顔認識AI「Face API」で写真に写っている選手の顔を特定し、顔が写っていない写真は、Microsoft Cognitive Toolkitを使った独自開発モデルで選手を特定している。「顔だけで選手を特定できる写真は全体の20%程度。残りは、独自開発の判定モデルを使い、選手の利き手の情報、フォーム、いつバッターボックスに立ったかなどの情報から特定している」(富士フィルムイメージングシステムズ イメージテック事業部 クラウドメディア営業部 課長 松下太輔氏)。これらのAIを使った「選手名情報自動タグ付け機能」の選手名の推定精度は90%以上だという。

 これらのAIによる画像解析はAzure上で実行される。IMAGE WORKSは、富士フィルムイメージングシステムズの自社データセンターから提供しているクラウドサービスだが、「選手名情報自動タグ付け機能」の仕組みはAzure上にあり、オンプレミスのIMAGE WORKSデータセンターから解析対象画像をAzureに送信して解析し、解析結果をIMAGE WORKSデータセンターに戻している。

 画像解析に必要な複数の機能(リサイズや回転などの事前画像処理→Face APIまたは独自判定モデルでの解析→推定処理→解析結果の格納)が、それぞれAzure上のサーバーレスアプリケーションとして構築されており、各サーバーレスアプリケーションは「Azure Durable Functions」によってつなぎ合わせられている。これにより、大量の写真に対する複数の処理を高速に実行することが可能だ。

「選手名情報自動タグ付け機能」のアーキテクチャ

 富士フィルムイメージングシステムズは今後、同様の画像解析AIシステムをプロ野球以外のスポーツや、一般企業にも展開していきたいとする。また、将来的にはCognitive Servicesの動画解析AI「Azure Video Indexer」を使った動画解析機能のIMAGE WORKSへの実装も視野に入れている。

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