ボケマスターに俺はなる!
iPhone XSの発表会で頻出したため、ちょっと話題になった単語「ボケ」。英語だと「bokeh」。日本語だと「ぼけ」。漢字だと「暈け」。
日本語由来のカメラ用語として有名な言葉なわけだが、それだけ日本人はボケにこだわりを持ってるのである。背景や前景をボケさせる条件ってのがあって、それをうまく使えばボケのある写真を撮るのは容易なのだが、面白いことにレンズによってボケの形やボケ具合が違うのだ。このレンズは「ボケがきれい」とか「このレンズはボケが汚い」とか言われる。
実際に撮ってみると、同じスペックのレンズでも製品によって背景のボケ方が変わってくるのだから、表現にこだわる人には大事なことである。なぜいきなりそんな話からはじめたか。交換レンズメーカーとして有名なシグマが「ボケマスター」という愛称のレンズを出したのだ。
これは105mm F1.4の単焦点レンズ。中望遠でF1.4というのは破格の性能で、その分デカくて重い。特に「前玉」と呼ばれる一番前についてるレンズがでかい。レンズはガラスでできているから、でかくなるほど重くなるのである。
一度このレンズで猫を撮ってみたかったところ、借りることができたのだ。題して「ボケマスターでボケ猫を撮れ!」
あ、ボケ猫だと猫がボケちゃうみたいでよくないか。まあいいや。まずうちの大五郎。左目にピントがあってて、右目はすでにぼけはじめてるのだが、よいのはそのボケ方。ピシッと合っているところから、なだらかに柔らかくボケていくのだ。解像力とボケ味の両方にこだわったからボケマスターを名乗ってるのである。
ちなみに、猫の目はちょっと奥に引っ込んでるので普通に撮ると、目の上、まぶたのとこにピントが合っちゃう。それを避けるには目尻のあたりか目の下側に合わせるようにするといい。
大五郎ときたら次はかふか。ソファでくつろいでるところを撮らせてもらった。目元にピントを合わせ、前と後ろがほわっとボケるイメージで狙ってみた。

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