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スマホで5分・5000万円まで、中小企業向けオンライン融資が始動

2018年06月05日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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オンライン融資サービスの「エメラダ・バンク」
スマートフォンを使って5分で借り入れ申請が完了するとうたう、オンライン融資サービスの「エメラダ・バンク」のトップ画面 Photo by Takahisa Suzuki

 金融とテクノロジーを融合し、既存のものとは一線を画する金融サービスを生み出す「フィンテック」の分野において、中小・ベンチャー企業などにとって新たな資金調達手段となるサービスが始動した。

 5月23日、フィンテックベンチャーのエメラダが始めたオンライン融資サービス「エメラダ・バンク」だ。主に成長ステージにある企業を対象とし、その先行投資や運転資金のサポートを想定。融資額は500万~5000万円、期間は5年以内で金利は2~15%というのが目安となっている。

 また、決算書や銀行口座の入出金情報のみならず、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などオンライン上の定性情報の分析結果も掛け合わせることによって、スピーディーかつ高度な融資審査ができるという。

 さらに、既存の融資サービスでは対応できていない、変則的で柔軟な返済プランにも対応。季節要因による業績の変動が激しい企業に対して、毎月の返済額をフレキシブルに増減させることが可能だ。

 エメラダは昨年11月に「エメラダ・エクイティ」というサービスもスタートさせている。これは、非上場企業が株式の発行によって一般個人から資金調達できる「株式投資型クラウドファンディング」という新たな資金調達手段を実現するものだ。つまり、エメラダは企業の資金調達手段である資本と借り入れの両面をカバーできる体制を整えたというわけだ。

AI対銀行員と同じ構図

 エメラダ・バンクのもう一つの特徴は、地域金融機関が参画していることだ。このサービスを既存の金融機関が導入することを想定してエメラダが呼び掛けた結果、地方銀行の東邦銀行(福島県)と第三銀行(三重県)、信用金庫の城北信金(東京都)と大和信金(奈良県)が応じた。

 実は、米国では2015年に同様の戦略的提携が発表された。中小企業向け融資サービスを提供する米フィンテックベンチャーのオンデックと米金融大手のJPモルガン・チェースが手を組み、中小企業向け融資を強化してきた。

 エメラダも既存の金融機関と連携することで、将来的にエメラダ・バンクを資金の借り手と貸し手が集うマーケットプレイスとする絵を描く。いわば「金融のアマゾン」になろうという野望だ。

 一方、そこに参画する既存の金融機関は、自身の存在意義をあらためて問い直す必要がある。

 人工知能(AI)やITを駆使した業務効率化によって、銀行員が仕事を奪われると騒がれているが、それを防ぐにはAIやITを使いこなす側に回らなくてはいけないといわれる。それと同じで、金融機関もフィンテックに「使われる」のではなく、活用する側に回れるだけの強みを磨かなくては、その存在意義は埋没してしまうだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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