※本記事は、2018年2月9日にHTC社公式ブログに掲載されたStephen Reid氏の記事を翻訳したものです。
神の視点から世界に干渉するゲームというのは、PCでは非常に古くからあるジャンルですが、VRで遊べるようになったのは比較的最近のことです。モバイルゲームフランチャイズで成功を収めたHandyGamesが、その経験を活かして開発している「Townsmen VR」もその一つ。プレイヤーは神となり、人間たちと密接に関わる立場に身を置くことになります。HandyGamesのCEOで創業メンバーの一人でもあるChristopher Kassulke氏に、本作の特色について伺いました。
Townsmen VRは現在、Viveportサブスクリプションでプレー可能です。ゲームに関する最新情報はHandyGamesのTwitterまたはFacebookアカウントをご覧ください。
――まずはこのゲームの概要と、VR体験としての特徴を説明していただけますか?
Townsmen VRは、古典的な街作りシミュレーションゲームをVRという新しい可能性に満ちた空間に持ち込むことで、これまでにないインタラクティブな形のプレーを実現します。プレイヤーは小さな島を統べる神となり、忠実なしもべSir Clunkalotの助言を受けながら、住民たちを導き守っていくことになります。
かのロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオット氏も開発現場を見に来られて、ゲームの世界へ完全に入り込むという体験を非常に気に入ってくださいました。私たちは本当に作りたいものを作っただけなのですが、今のところ圧倒的に好意的な評価をいただいており、誰もが楽しめるゲームになったと自負しています。島ではあらゆることを試してみたくなるでしょうし、実際何でもできるようになっています。きっと皆さんも気に入っていただけることと思います。
――『Townsmen』シリーズはこれまでPCとモバイル向けのタイトルでしたが、VR版の開発に乗り出した理由は?
そうですね、シリーズの開発を始めたのは2002年で、最初のリリースはまだ白黒画面のフィーチャーフォンしかなかった頃です。それから16年間で7本のTownsmenを世に送り出してきましたが、次作は本格的に3Dで作ろうという話になったとき、VR専用タイトルにしようと決めました。私たちにとってはかなりの冒険でしたが、そのとき考えていたようなゲーム体験をファンに届けるには、VRを使うしかなかったからです。
Townsmen VRは「Black & White」「ポピュラス」「エイジ・オブ・エンパイア」「Settlers」それと「Anno」といったクラシックゲームに着想を得ていますが、従来のPCゲームでは実現できなかった独自の要素も豊富に盛り込んでいます。プレーしてみれば、このジャンルの新境地を切り開く作品であることがわかっていただけるかと思います。Townsmen VRはまさにVRだからできたゲームだといえます。VRで街作りシミュレーションゲームを遊んでみたいと思っている人は大勢います。本作がその人たちの夢をかなえるものになれば幸いです。
――このジャンルのゲームはたいてい村や街の建設が目的になるわけですが、Townsmen VRでやれるのはそれだけですか?
他にも色々ありますよ。島を管理するだけでなく、島民の日々の仕事を手伝い、防衛体制を築くこともできます。悪者たちが襲撃してくるので、そのときに対抗手段がなければ集落が滅ぼされてしまいます。ですからしっかり備えておくことは大切です。
――このジャンルのゲームでは、2D画面で住民をクリックして資源のところへ誘導するという操作が一般的ですが、VRになるとその点は何か違ってきますか?
Townsmen VRでは、ただ島民をあちこちへ動かすだけでなく、彼らの仕事を手伝うこともできます。荷物を目的地まで持っていってあげたり、自分で海に潜って獲ってきた魚を島民に与えたり、その魚を焼けるように火を起こしてあげたり。ネタバレになるので全部は言えませんが、色々と楽しめるようになっています。
――見下ろし視点だけでなく、島民の視点からゲーム世界を見ることもできますか?
はい、そこはプレイヤーが自由に選べます。神の視点でプレイを進めてもいいし、細部をよく見たければ島民のところまで降りていくこともできます。ただし、いくつかの理由から、島民の体を乗っ取って自分で操ることだけはできません。
――他に「神」として使える力は?
風を起こして風車を回せます。焚火の上で焼き串を回してイノシシを焼いたり、雲を集めて雨を降らせたり、嵐を作って稲妻から火を起こしたりすることもできます。自由度が非常に高いゲームなんです。
――島民には「神」の姿が見えるのですか? 助けてあげないとどうなりますか?
人々はこの島に神がいることを知っていて、声をかければ反応します。プレイヤーの助けがなければ、島民たちは略奪者の襲撃に苦しむことになるでしょう…… しかし、守ってあげるかどうかはプレイヤーの自由です。神に対する敬意が足りないと思うなら、天罰を下してやってもいいんですよ。
――現在アーリーアクセス段階ということですが、どの程度まで遊べますか?
アーリーアクセス版は機能を制限したデモではなく、規模は小さいけれどゲームの全体像がわかるような内容になっています。ハンバーガーに例えるなら、一部の具だけつまみ食いするのではなく、完成したハンバーガーの一切れを味見できるわけです。もちろん、内容はこれからもどんどん追加していく予定です。
――特にフィードバックが欲しいところはありますか? プレイヤーはそれをどうやって伝えればいいですか?
どんな意見や感想もゲームの完成度を高めるのに役立ちます。「こんな機能が欲しい」「ここはうまく動いていない」「わかりにくい点がある」「期待していたのと違った」など、小さなことでも気軽に聞かせてほしいです。弊社のFacebookやTwitterアカウントにコメントをくださってもいいですし、ウェブサイトのフォームから送信していただいてもかまいません。
――今作の前にも「Panzer Panic」などいくつかVRタイトルを開発しておられますね。その経験から学んだことはありますか?
非VRのゲームをただVRに移植するだけではだめです。VRならではの要素を追求しなくては。たとえば「Stant Kite Masters VR」では、単純に凧揚げゲームをVRに持ち込むだけでなく、本当に凧揚げをしている感覚が味わえるよう、コントローラーに触覚フィードバックを返す機能を付けました。
Panzer Panicで得た教訓は、ローカルマルチプレイはアーケードなら楽しいものの、あまり一般家庭向けではないということです。このゲームではVIVE、Rift、Gear VRで複数人による協力プレイや対戦プレイが可能で、非常にクールなんですが、複数のVRデバイスが必要になるので…… もしお持ちなら、ぜひマルチで遊んでみてください。
もうひとつ学んだのは、技術デモを作るだけで終わらせてはいけないということです。きちんとゲームとして楽しめるものを開発し、それを妥当な価格で提供することが大切です。Townsmen VRの現バージョンも、これぐらいなら遊んでみようかなと思ってもらえるような価格に設定しています。
――最後に、今後の予定について聞かせていただけますか。
もうすぐ別のゲームを出します。「Devil and the Fairy」というタイトルで、RPGとタワーディフェンスと「ダンジョンキーパー」を全部合わせた、ジャンルミックス的な大作になります。ダンジョンを支配する邪悪なボスになってみたいなら、きっと楽しめると思いますよ。トランスジェンダーの小妖精が補佐役になって、あなたの闇の王国を守る手伝いをしてくれます。トレーラー動画を公開していますので、ぜひチェックしてみてください。
――Kassulkeさん、ありがとうございました!
※本記事はMogura VRがHTC社から許可を受け、翻訳した記事です。Mogura VRとHTC社に許可を頂き転載しています。
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