スマホ総研のドロイドさん、スピーディー末岡、ミナミダの3人が今年の後半に発売されたスマートフォンを5段階評価でクロスレビュー! 第二弾は、ファーウェイのフラッグシップ「HUAWEI Mate 10 Pro」を紹介する。
主なスペックはディスプレーが縦長の6型有機EL(1080×2160ドット)、SoCはKirin 970(2.36GHz+1.8GHz、オクタコア)、メモリー6GB、ストレージ128GB、4000mAhバッテリー、OSはAndroid 8.0など。Kirin 970には、AIに特化したNPUを搭載するのが最大のアピールポイント。カメラももちろんLeicaの名称が付いたダブルレンズで、これまでよりもさらに明るいレンズを搭載しているのが特徴。さらにIP67の耐水・防塵にも対応したほか、液晶ディスプレーやキーボード、マウスなどを接続してパソコンのように使えるPCモードも備えている。スペック的にはまったく死角がないフラッグシップモデルだ。
目新しい要素は少なめもパーフェクトな端末
スマホ総研リーダー ドロイドさん
評価:★★★★★
スペックの高さやAIへの対応もさることながら、Android 8.0+EMUI 8.0になったこともあってか、すべての操作がスムーズでとにかく気持ちがいい。もちろんカメラも高画質で味のある写真が撮れる。18:9の6型というディスプレーは実際に操作してみても、今後のスタンダードになるであろうサイズでこの選択はベスト。もちろんそのぶん高価ではあるのだが、すでにここまでで5段階評価なら5点で文句なし。
もちろん細かなケチを付けることも可能。Galaxy Note8のようなペン操作はないし、生体認証は昔ながらの指紋センサーが背面に装備。使い勝手自体にまったく不満は無いけれど、すごく目新しい部分も無いわけで。ただ、目新しさは無くても用意しうる材料を最高の調理をしたという印象。この年末年始、ものすごく欲しいわけではないのに、なんとなく12万円を払ってiPhone Xを購入しようとしている人にこそ一度試してみてほしい。それよりは安いので。
縦長を許せるか許せないかが問題
主席研究員 スピーディー末岡
評価:★★★★☆
2018年以降のトレンドになっていくであろう18:9という縦長ディスプレー。横幅は握れる程度のサイズ感でいいのだが上下が絶望的に操作しづらい。アプリ側にはやく対応してもらいたいのだが、上部に閉じるボタンなどがあるのは改善してほしい。指が届かないので、持ち方を変えなければいけないのだが、このときに落とす危険性がある。また、背面パネルは指紋がつきやすく、あっという間にベタベタになるのでケース派必須。指紋センサーが背面というのもマイナス要素だ。ただ、指紋センサーが前か後ろかは好みの問題もあるだろう。筆者は以前は背面派だったのだが、テーブルの上にスマホを置いた場合、指紋解除が面倒になってきたので、前面派に移行した。
ここまでマイナス部分を挙げてきたが、上記以外悪いところは見当たらない。もしかしたら、前述のマイナス要素もただの言いがかりかもしれないほど、完成度が非常に高い。スペック面ではケチの付け所がない。正直、iPhone Xより操作感やカメラ、そして未来感は上。AIを搭載することにより、たとえばカメラの被写体などを学習するという。この部分はまだ未完成と言えるが、スマホの未来を感じさせてくれる。インカメラもポートレートモードや芸術的ボケ味といった機能があるので、ハイクオリティーなセルフィーが撮れる。
最近のファーウェイの躍進っぷりに、日本のメーカーは大丈夫かなと心配になってしまうが、HUAWEI Mate 10 Proのような端末が登場しないと厳しいかもしれない。とにかくスペックを気にする人なら、確実にコレ!
片手でラクラク操作できるフルHD+解像度
新米研究員 ミナミダ
評価:★★★★★
74.5mmの横幅は片手操作が難しいかと思ったが、縦に長いためか非常に握りやすかったのが驚き。ホームボタン部をスワイプすると、いつでも画面をどちらにも寄せられるワンハンドUIの挙動も非常に軽快で片手操作にまったく不満はない。被写体を自動認識してモードを変更するなど、ファーウェイがその性能をアピールするAIプロセッサだが、自動認識を試したところワンテンポ待つ感じで、あまり快適さは感じられなかった。
デュアルレンズカメラとタテに2つ正方解像度のウィンドウを並べられるフルHD+解像度の18対9ディスプレー、DSDS対応などの最新フィーチャーを9万円以下という実質負担額で享受できるのは○。さすがにゲーム関連ではスナドラが市場を圧倒しているので、主要ゲームのKirinプロセッサへの最適化が進むことに期待したい。
HUAWEI Mate 10 Pro | |
---|---|
ディスプレー | 6型有機EL |
画面解像度 | 1080×2160ドット |
サイズ | 約74.5×154.2 ×7.9mm |
重量 | 約178g |
CPU | HUAWEI Kirin 970 2.36GHz+1.8GHz (オクタコア) |
メモリー | 6GB |
ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | × |
OS | Android 8.0 |
対応ネットワーク | LTE:バンド1/2/3/4/5/7/8/9 /12/17/19/20/26/28/32 /34/38/39/40/41 W-CDMA:バンド1/2/4/5/6/8/19 |
DSDS | ○(DSDV) |
CA対応 | ○(3CC) |
無線LAN | IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
カメラ画素数 | リア:12メガ+20メガ /イン:8メガ |
バッテリー容量 | 4000mAh |
SIM形状 | nanoSIM×2 |
USB端子 | Type-C |
カラバリ | ミッドナイトブルー、チタニウムグレー |
価格(税抜) | 8万9800円 |
この連載の記事
-
第4回
スマホ
最上位モデルの機能を採用しつつ使いやすさを重視! HTCのAndroid One「X2」を斬る! -
第3回
スマホ
約2万5000円でデュアルカメラ&4100mAhバッテリー「ZenFone 4 Max」のコスパがヤバイ! -
第1回
デジタル
小型高性能の「Xperia XZ1 Compact」は小さな巨人だ! -
スマホ
2017-2018注目スマホをアスキースマホ総研がクロレビ! - この連載の一覧へ