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大阪も燃えた!kintoneユーザーたちの負けられない戦いを追う

やっぱり激闘だった大阪のkintone hack、制したのは誰?

2017年12月20日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders

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ナウいコグニティブサービスと連携してみた(満村聡さん)

 いわゆる「ナウいコグニティブサービスとの連携」を披露したのは、肉体派であるノベルワークスの満村聡さん。ノベルワークスは「お客様とともに作る」をモットーに、kintone universityの研修や開発支援のほか、Webページ作成や業務改善コンサルタントなどを手がけているという。

ノベルワークスの満村聡さん

 そんな満村さんが最近ご執心なのが、いわゆるコグニティブサービス。マイクロソフトやIBM、Googleなどが提供するコグニティブサービスは、人間の作業をサポートすべく、認知と認識を担うAIサービスの1つ。このコグニティブサービスとkintoneを連携させたのが、今回のセッション内容だ。「kintoneはファストシステムなので、ファストに作れないと意味がない。人工知能でデータを集めて、分析するのが時間もかかるので、コグニティブサービスを活用することにした」とのことだ。

 実際、名刺を認識すべく、コグニティブサービスをつないでみたが、画像内の文字までは抜き出せたが、テキストの内容が理解できなかった。そのため、いったんノベルワークス独自のアルゴリズムでテキストがどんな種類のデータかを識別した上で、コグニティブサービスに投げるようにした。具体的にはAWSのAPI Gatewayを経由し、LambdaとVision APIやNatural Language APIなどと連携し、名刺の解析精度を高めた。残念ながらデモは動かなかったが、解析されたデータはkintoneの各フィールドに紐付けられ、顧客データベースとしてそのまま利用できるようになるという。

独自のアルゴリズムでデータ種を特定してkintoneに送り込む

 満村さんは、コグニティブサービスの活用で、製造や流通、小売り、飲食などでさまざまな自動化が進められると説明。たとえば、商品をカメラで撮影し、種類と個数を解析して、kintoneへ登録できれば在庫管理や棚卸しという作業自体がなくなるという。また、小売店舗でも来客者画像の分析により、より細かく、精度の高い分析が可能になるという。満村さんは、「AI関係ないよという人もいるかもしれませんが、実はもう身近です。kintoneで人工知能の力に触れてみてください」と語り、筋肉派とは思えないインテリなセッションを終了。集計中に腕立てを披露した満村氏は、98点を獲得した。

kintoneの課題を解消する開発環境のハック(赤座久樹さん)

 最後の発表は「“業務ハッカー”流 kintoneカスタマイズ」と題したテイルズガーデンの赤座久樹さん。「最後の登壇は予選会でトップをとったということなんです」という伊佐たんの説明で、会場の期待も俄然高まる。

テイルスガーデンの赤座久樹さん

 富山県の旧細入村でリモートワークしている赤座さん。自らが名乗るこの業務ハッカーについて、「業務改善とシステム化をいっしょにやってしまう人」と定義づける。最近生まれた職種というわけではなく、もともとは社内SEとか、外部のSIerなどが担当していたが、歴史的にあまりいい印象を持たれないことも多かったため、呼び名から定義し直した。「かっこよくという意味のほか、大規模に作らないという意味も込めています」と赤座さんは説明する。

 もともと業務ハッカーは「納品のない受託開発」を手がける倉貫義人さん率いるソニックガーデンが提唱した用語。そしてソニックガーデンの子会社としてできたテイルスガーデンは、プロの業務ハッカー集団としてユーザー向けに業務ハックを行なっているという。

 「業務ハックツールとしてはkintoneが最高です」と語る赤座さん。その魅力としては「標準機能で収まればどんなシステムでも超高速で開発できる」「JavaScriptで無限にカスタマイズできる」「クラウドなのでメンテナンス不要」という3つを挙げる。しかし、この3つの魅力を裏返すと、3つの不満にもつながるという。すなわち「標準機能では不足することが多い」「カスタマイズ量が増えると劇的に効率が低下する」「クラウドの中なのでアプリの設計情報が簡単に見られない」の3つ。このうち赤座さんが挑んだのが、後者の2つの課題を解消するための「kintoneの開発環境のハック」だ。

カスタマイズ量が増えると劇的に効率が低下するとアプリの設計情報が簡単に見られないという課題を解消

 赤座さんは「ここから一気に難易度が上がりますが、あえてプロの世界をお見せします」とギアをシフト。まず設定画面からいちいち登録しなければならないJavaScriptやCSSのカスタマイズを効率化するため、ビルド環境を構築した。具体的にはJavaScript、HTML、CSSをBabelとWebpackを経由して、Dropboxにアップロードし、kintoneと同期させているという。また、カスタマイズビューの編集も手元で簡単に行なえるという。

 もう1つのハックはCLIツールの開発。赤座さんは「ユーザーのアクセス権変更に気づけない」「フィールドコード調べるのが面倒くさい」「今日一日のアプリ開発量が見えない」などkintoneの課題を列挙。これを解消するため、赤座さんはkintoneアプリの設計情報をJSONで一気にダウンロードできるCLIツール「ginue」を開発した。設計情報をGitHubに収容したり、grepで調べることができ、設定画面を開く回数が劇的に減るという。

BabelとWebpackを経由して、Dropboxにアップロードし、kintoneと同期
CLIツールも作り、GitHubで管理できる体制を構築

 最後、赤座さんは「開発ツールをハックすることでコスト削減もできるのですが、もっと大事なのは開発の楽しさがアップすること。これがプライスレスなんです。僕もこれを作るのも、楽しくて仕方ありませんでした!」と聴衆にたたみかけ、楽しければ継続的な業務ハックにつながるとアピールした。

 「業務ハック=かっこいい、楽しい」というプラスイメージを聴衆に植え付けた強靱な理論武装と、そこから導く出された圧倒的なハック内容の濃さ、そしてセッションにのぞむ赤座さんのパッションが多くの聴衆の心を振るわせ、点数は155点をマーク。kintone hack Osakaの優勝に輝き、チャンピオンベルトをゲットした。

優勝は155点をマークした赤座久樹さん

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