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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第431回

Ryzen MobileはTDP 15Wの投入を最優先 AMD CPUロードマップ

2017年10月30日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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マルチスレッドで圧倒的な性能差を見せる
ベンチマーク結果

 今回公開されたのは「Ryzen 7 2700U」と「Ryzen 5 2500U」の2製品であるが、CineBenchではシングルスレッドではやや劣るもののマルチスレッドでは圧倒的な性能差を見せる。

4コアでありながら、定格で2/2.2GHz動作なのがポイント。Kaby Lake Refreshは定格1.8/1.9GHzであり、実際に性能比較を行なってみるとおもしろそうである

Raven RidgeでのCineBenchの結果。2コア/4スレッドのCore i7-7500Uは比較にならないレベルである

 その他のアプリケーション性能もかなり優秀である。特にCineBenchは、デスクトップ向けの「Core i5-7600K」よりも「Ryzen 7 2700U」の方が高い性能を示すという数字も今回公開された。

その他のアプリケーション性能。ただここにPOV-Ray 3.7を入れるのは反則な気もする

CineBenchの結果。問題は前述したmXFRのCineBenchスコアと整合性が取れていないことである

 アプリケーション起動に関しては、Bristol Ridgeとの比較であるが、20~40%の高速化が実現されたとする。

アプリの起動が20~40%高速化。ただし脚注を見ると、Bristol RidgeはCrucialのCT256M4SSD2を、Raven RidgeはSamsung 850 Pro SSDを使っており、公平な比較とは言えない気がする

 GPU性能については、あえてDirectX 12の3DMark TimeSpyを実行しており、圧倒的な性能差を見せている。

3DMark TimeSpyの結果。もともとGPUはBristol Ridgeでも十分勝負になることは知られていたが、それが再確認される結果になっている。FF14のフルHDが快適になる程度の描画性能は期待できそうである

 主要なゲームでのフレームレートは下の画像の通り。内蔵グラフィックを使いながらのゲーミングノートを構築できるレベルとされる。

主要なゲームでのフレームレート。このあたりは描画オプション次第ではある

 最後がバッテリー寿命で、特にVP9の再生ではBristol Ridgeの2倍の電池寿命があるとしている。

バッテリー寿命。全体的に10時間以上の利用時間が確保できるというのがAMDの主張である

 以上のことから、Raven Ridgeは年末あるいは来年の早い時期に登場するはずだ。すでにLenovoの「IdeaPad 720S」、Acerの「SWIFT 3」、HPの「ENVY X360」の3機種が「Ryzen 7 2700U」および「Ryzen 5 2500U」を搭載すると発表しており、さらに製品は続くかもしれない。

 デスクトップ向けのRaven Ridgeを待っているユーザーは、もう少し我慢してもらう必要があるだろう。

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