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米海兵隊、1500ドルのベニア板製ドローンを開発中

2017年04月19日 02時33分更新

文●Jamie Condliffe

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米海兵隊が、制作費1500ドルの使い捨てグライダーを開発中だ。グライダーなので動力は不要で、約318キロの荷物を運搬でき、前線に補給物資を届けるのに使えそうだ。

ベニア板、いくつかの金属製固定具、趣味の電子工作で使われそうな部品。これで何が作れるだろうか? 子どもの次の宿題ではない。米国海兵隊が検証中のドローンの試作機だ。

IEEEスペクトル誌によると、米国海兵隊戦闘研究所は、最大で約318キロの荷物を運搬できるように設計された新型ドローンを開発中だ。しかし、戦場で賢く振る舞うために価格を犠牲にした多くの軍用ドローンとは違い、海兵隊のドローンである「TACAD(戦術空輸:Tactical Air Delivery)」は、一般的な仕事机の上にあるようなハードウェア製で、わずか1500ドルほどで製作できる。壊れても壊れなくても気にしない、のがTACADの考えだ。

コストの削減は、TACAD設計方針で実現した。まず、TACADには動力源がない。モーターや巨大な電力源は必須ではなく余計な部品なのだ。その代わり、TACADは航空機から投下された後、数十km以上滑空できる。さらにスマホテクノロジーの普及によってGPS装置のような電子機器の価格は非常に手頃になっており、TACADはこうした安価な既製品を活用する。最後に、最も単純なことだが、TACADのフレームにはベニア板や金属製ブラケットなど、どこにでもある材料が使われている。

軍が興味を示している使い捨て型のドローンはTACADだけではない。アザーラボ(本社サンフランシスコ)が開発中のグライダー・ドローンの試作機はダンボール製でTACADよりずっと軽量だ。現在、アザーラボのグライダー・ドローンが運搬する荷物は約1kgだが、約9kg以上を運搬できるように性能を高められるだろう。このふたつのドローンが果たす目的が大きく異なっているのは明らかだ。アザーラボのドローンは薬や通信装置等の小型の物品を素早く運搬する。一方、TACADは食品や水、燃料を運搬する。

ただし、TACADやアザーラボの機体により、人間は物資を前線に届ける危険な任務から今よりもっと遠ざかれる。この利点は、ドローンが1機、あるいは2機墜落した際のコストに見合うはずだ。

(関連記事:IEEE Spectrum, “DARPA、キノコ製補給ドローンの開発に資金提供”)


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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