日本も冷え込みが厳しくなってきた年の瀬、いかがお過ごしでしょうか。
日本では毎年12月28日頃に仕事納めをして、三ヵ日が明けてから仕事始めとなるのが一般的ですが、最近のお店なんかは商戦とばかりに休まないところも少なくありませんよね。
たとえば蕎麦屋なんかは、12月31日には絶対に休めませんし、初詣客を見込んで1月1日から店を開けるコーヒーチェーンなんかも多いようです。
米国では年末年始が連休ということはほとんどありません。そもそも12月が丸々休暇、みたいな人もいるのですが、クリスマスイブ、クリスマス、ニューイヤーイブ、ニューイヤーデーの4日を休んで、後は平常通りというお店も多いのです。
今年の筆者はというと、感謝祭のシーズンは東京にいて、ビザ更新の手続きなどでクタクタになったこともあって、今年は日本の正月休みと同じように休もうかと思っています。
できれば、こちらでも日本のお笑い番組なんかを見ながらのんびりしたいところですが、残念ながら思うように見られる環境は整っていないようで。
Uberの自動運転車がサンフランシスコに
ベースの車種はボルボの最上位クラス
ちょうど先週の14日、サンフランシスコでUberの自動運転車がサービスを始めたというニュースがありました(https://newsroom.uber.com/san-francisco-your-self-driving-uber-is-arriving-now/)。UberX(いわゆる普通のUber)を呼ぶと、自動運転車がマッチすることがあるそうで、利用方法などは通常どおりです。
ベース車両となっているのは、Volvo XC90という高級SUV。Googleの自動運転車のときもそうだったのですが、自動運転車は現段階では、車の屋根にさまざまな機器を載せなければなりません。
ベース車種を選ぶ際には、屋根の耐荷重や剛性などを考慮するということで、GoogleはLexus RXを自動運転車のベース車両にしていました。これはストリートビューの記録車でも同じことで、Subaru Impreza Sports(ワゴン)やToyota Priusなどが選ばれていました。
VolvoはSubaruとともに米国を含む世界中で、自動ブレーキやアクセル、ハンドルアシストなどの危険回避機能を導入して人気を博してきました。
Uberが、自動運転車によるサービスをVolvoの最上位の車種でテストをする点は、Volvoにとっては同社のラグジュアリーな車内空間を体験してもらうことができ、そして安全のイメージを高めることにつながります。
自動運転は“後戻りできない体験”
米国でも今のところ、完全な自動運転ではなく、アシスト機能の範疇で機能を実現しています。前述のVolvoやSubaruに加えて、新興電気自動車メーカーのTeslaも、オートパイロット機能が人気です。
ハンドルに手をかけていつでも操作できる状況になければなりませんが、高速に乗ってしまえば、流れていても渋滞しはじめても、きちんと周囲の車を認識して、車速をコントロールしてくれます。
米国では長距離ドライブのときにクルーズコントロールが必須機能なので、一定速度での走行だけでなく、加速・減速までやってくれて先行車の自動追随をしてくれると、特に朝夕の渋滞の時には本当に楽なのです。
「後戻りできない体験」とはこのことだな、と実感します。
一方、Teslaのオートパイロット機能で不安なのは、たとえば高速の分岐点です。
一番右の車線(米国は右側通行)を走っていて、出口が右に逸れていくような一般的な場面。本来まっすぐ走っていきたいところですが、逸れていく右の線に沿って進んでいき、間違いだと気づいてから、ググッとハンドルが左に回転することがありました。
これはヒヤッとする瞬間で、ああやっぱりまだちゃんとハンドルに手がかかってないことにはと思わされた経験です。とはいえ、そのようなエラーもごく一部だけで、そうしたことを理解しながら活用すれば、非常に便利という感想です。
とはいえ、人の察しがまだ勝るのが現状
Teslaでは、周囲の車をどのように補足しているか、画面に表示することができます。昼でも夜でも、確かにちゃんと車の存在を捕らえています。
しかし人の「勘」がまだ優れているなーと思ったこともありました。
たとえば高速道路を走行していて、左や右から追い越してきた車をみると、そのまま追い抜いていくのか、自分の前に入ってくるのかという雰囲気がわかりますよね。
速度を上げるのをやめて様子をうかがい始めたら、「こりゃ入ってくるな」と身構えることができます。自分はそうした察しがついていても、オートパイロット機能は実際にその車が前に入ってきてからブレーキをかけます。結果的に強めのブレーキになってしまいますよね。
こうした察しをアルゴリズムに組み込むのはさほど難しくない一方で、どこまでそれを適用するかという、しきい値の設定は難しいところです。察しが働き過ぎてどんどん車を前に入れることが、決して安全だとは言えないからです。
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