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最新パーツ性能チェック 第198回

「Radeon RX 470/RX 460」はミドルクラスGPUの選択肢を変えられるか?

2016年08月14日 12時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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2世代ぶんの性能向上を確かに感じる

 では「3DMark」のテスト結果からRX 470の立ち位置を検証してみよう。テストはDirectX12ベースの“Time Spy”、DirectX11ベースの“Fire Strike”“Fire Strike Ultra”のスコアーを比較する。

「3DMark」のスコアー

 スペックからRX 480>RX 470となるのは想像できたが、まさかここまでRX 480に肉薄するのは予想外だった。

 今回試したRX 470はMSIのRX 470の中でもフラッグシップ的な存在なせいもあるだろうが、高品質かつ静音性の高いOC版RX 470と、リファレンスRX 480の差は非常に小さい。OC版のRX 480とリファレンスRX 480、さらにOC版RX 470のパワー比は3~5%程度だ。

 さらに前世代のR9 380Xと比較してみると、20%強のスコアー向上を果たしている。SP数などが同じでも、高クロック化とLキャッシュなどの増量が性能向上に直結した、というところだろう。ただ2世代(第2世代GCN 対 第4世代GCN)隔てているのにスコアーアップが2割だけというのは、若干寂しい気もする。

 一方RX 460はインターフェースの帯域やSP数を大幅に減らしたためにRX 470よりも大きくスコアーを落としている。スコアーは半減とはいかないが、RX 470の6~7割程度といったところだ。RX 460と同価格帯(1万円台終盤~2万円)で売られているGTX 950のやや下といったところ。

 低消費電力GPUとしては中々よいところに着地したといっていいだろう。ただ今回はRX 460/GTX 950ともに外部電源なしモデルを試せなかったのが残念だ。

 ではここでシステム全体の消費電力を比較する。システム起動10分後の値を“アイドル時”、3DMarkのFire Strikeデモ中の同一シーンにおける値を“高負荷時”とした。電力の計測には「Watts Up? PRO」を使用している。

システム全体の消費電力

 RX 470のリファレンス版があるとすればRX 480>RX 470になるはずだが、今回のRX 470はOC版。性能もほぼおなじという側面も手伝ってか、OC版RX 470の消費電力はリファレンス版RX 480を大きく上回ってしまった。

 MSIのOC版RX 480も50W近く高負荷時の消費電力が増えてしまったが、RX 470の高負荷時消費電力はこのOC版RX 480に迫る勢い。GTX 1080等でもOC版は消費電力が一気に増えることが確認できたが、これはPolarisでも同傾向のようだ。

 またRX 460はGTX 950よりも消費電力が抑えられている。今回試したRX 460はOC版だが、外部電源不要なRX 460ならさらに消費電力が低くなることが予想される。低消費電力なeスポーツ向けゲーミングPC(ただし遊べるゲームは選ぶが)用ビデオカードの新たな選択肢が出現したことを喜びたい。

 消費電力が分かったところで、Fire Strikeのスコアーを高負荷時の消費電力で割り、ざっくりとしたワットパフォーマンス、ここでは1WあたりのFire Strikeスコアーを求めてみる。

1WあたりのFire Strikeスコアー

 前回RX 480のレビューを行った際、第4世代GCNのワットパフォーマンスはようやくGeForceのMaxwell世代(GTX 900シリーズ)に追いついたと示したが、今回RX 460でも同傾向であることが示された。

 ただOC版RX 480およびRX 470の2つに関しては、OCの安定性を重視した結果消費電力が増加し、ワットパフォーマンスはリファレンス版より悪化している。ワットパフォーマンスをとるならRX 480のリファレンス版が絶対的に有利だが、静音性や冷却力を考えたらOC版RX 480やRX 470の方に軍配があがる。どちらをとるか非常に悩ましい。

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