AXON 7を発表したZTE。中国に本社を構える同社は世界中に研究開発や製造拠点を持っています。その中でも深センにある本社にはスマホの組み立て工場もあり、また同社のあらゆる製品の展示やデモを行なうショールームも併設されています。ZTEのスマホはどうやってつくられているのか、その本社に潜入してみました。
ZTE本社のある深センの南山地区は中国のシリコンバレーとも呼ばれる地域で、多数のIT企業が集結しています。それらの中でも最大規模を誇る敷地を占めているのがZTEの本社。
ここにはZTEのほぼすべての機能が集結しています。本社内にあるショールームには5Gのインフラやスマートシティーなど次世代通信関連の製品のデモのほか、スマホなどコンシューマー向け製品の展示も行なわれています。すべての説明を聞くとおそらく数時間はかかってしまうため、今回は端末の展示コーナーを見せてもらうことに。
ZTEの歴史を振り返れる展示コーナー
端末関連の展示コーナーには同社の初期の製品から、最新のスマホまで多数のモデルが展示されています。同社の歴史を振り返るコーナーでは過去の名機や当時の最新技術を搭載したモデルを展示。
この「A189」は1999年に開発された中国メーカーとしては初のGSM 900および1800MHzのデュアルバンド対応携帯電話。この当時は携帯電話はシングルバンド対応が一般的で、ノキアやエリクソンなど大手メーカーのみがデュアルバンド機を出していました。当然中国メーカーはシングルバンドモデルのみを開発する力しか無かったのですが、ZTEが他社に先駆けて1台で2つの周波数が利用できる携帯電話を開発したのです。
発売中の最新機種やウェアラブルデバイスが触れる!
スマホの展示コーナーには、同社の現在の柱となる3つのブランド「AXON」、「Blade」、「Nubia」の製品が多数展示されています。その中でも注目は、現時点で発売されているモデルとしての最新機種「Nubia Z11 mini」です。CPUはSnapdragon 617(オクタコア、1.5GHz)ですが、メモリー3GB、ストレージ64GBとミドルレンジとしては上々のスペック。ディスプレーは5型フルHD解像度。カメラは、背面側が1600万画素でレンズのF値は2.0。正面側にはフラッシュも備えた800万画素のセンサーを搭載。
Nubiaシリーズは歴代モデルともカメラ機能を売りにしていますが、Nubia 11 miniでは画面の動画キャプチャーが撮れるようになりました。これはスクリーンの動きを動画として保存できるもの。端末の操作方法を記録したり、お気に入りの複数のウェブページを移動しながら動画で保存しておくなど、さまざまな使い方ができるでしょうね。なお、外部端子はUSB Type-C。NubiaシリーズのほうがType-Cを早い時期から採用しています。
Bladeの各シリーズが展示されているほか、AXONブランドのスマートウォッチも実機を自由に操作できる状態で置かれていました。ZTEは子会社などからもいろいろなウェアラブルデバイスが出ているのですが、フラグシップスマホと同じブランドのこの「AXON Watch」も複数のバリエーションを出してほしいものです。
また、コンシューマー向け以外のスマホとしては、スマートシティー向けの警察用ビデオスマホも展示。基本はAndroidスマホですが、MILスペック相当の頑丈なつくりで、端末と端末の間で直接画像や映像の送受信が可能。トランシーバーのように2台の端末間でTV電話もできるのです。こちらは中国の一部の都市ですでに利用されているとのこと。