親日と言われるタイ。タイはまた中国やベトナムなどと異なり、ITに限らず、多くの外国のモノを早くから受け入れていた国でもある。
ネット関係ではSNSが人気で、その代表が「Facebook」や「Instagram」。Instagramはすごい人気で、たとえばバンコクの中心の「サイアム・パラゴン」前が、ニューヨークのタイムズスクエアと並んでもっとも投稿される場所となっている。
過去には「Hi5」(ハイファイブ)という米国産のSNSが人気で、これがタイでのPC普及初期でのキラーサービスとなっていた。
外国のサービスを取り入れる姿勢は、「真っ先に海外サービスを真似てリリースしてから独自色を出し、海外企業は入れさせない」という中国のIT業界とは真反対といっていい。
親日国で外国歓迎であれば、日本のモノも受け入れる土壌がある。その筆頭が「LINE」で、日本や台湾と並んでメインのメッセンジャーとなっている。
特にバンコクではLINEが起動したスマホ片手にメッセージを入力する人々をよく見かける。スタンプも人気だが、わざわざVPNを利用してまでも日本のスタンプをゲットしようとする人もいるのだとか。
LINE以外にも、日本企業が絡んだECサイトが盛況だ。タイを代表するECサイトのひとつで楽天傘下の「(Rakuten) TARAD」や、トランスコスモスが提携する東南アジアナンバー1(そのうち85%がタイの利用者)の電子書籍ストア「Ookbee」がある。
そのトランスコスモスはOokbeeと組んで、越境ECサイト「Ookbee mall」をスタートした。
また、女性向け化粧品で人気のECサイト「cosmenet.in.th」(BuzzCommerce)や、おしゃれやかわいいをテーマにした女性向けウェブメディア「SistaCafe」(Donuts)も日系企業によるものだ。
ゲームでは、Donutsによるアイドル育成ゲームの「Tokyo 7th シスターズ(Donuts)」や、乙女ゲーム「IKEMEN(スフィア・グローカル)」や、「YUME100(IndexAsia)」が人気。タイ人(特に若者)は日本のコンテンツに長く触れていたことから、これらのゲームが受け入れられているのだろう。
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