このページの本文へ

専任IT担当者なし、小規模なPC環境のバックアップに適したシンプルさ

DIS営業支店がPCバックアップに「ReadyRECOVER」を選んだ理由

2015年11月24日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ネットギアが提供するバックアップソリューション「ReadyRECOVER」。大手ITディストリビューター、ダイワボウ情報システム(DIS)の南東京第3支店では今年6月、支店内の業務PCをバックアップする目的でReadyRECOVERを導入した。IT専任担当者のいない同支店でも、PCの自動フルバックアップ環境がスムーズに導入/運用できているという。その背景を詳しく聞いた。

ダイワボウ情報システム 東日本営業本部 南東京営業部 南東京第3支店 主任の間野賢一氏。間野氏は営業職でありIT担当者ではないが、今回のReadyRECOVER導入を中心になって進めた

手作業でのPCバックアップには限界、ReadyRECOVERを採用

 ReadyRECOVERは、ネットギアの企業向けNAS「ReadyDATA」とストレージクラフトのバックアップソフトウェア「ShadowProtect」を組み合わせた、シンプルなクライアントPC/サーバーバックアップソリューションだ。OS領域を含め、マシン上のデータをまるごとバックアップする(関連記事)。

 ReadyRECOVERでは、バックアップ対象マシン(Windows PC/Windows Server)にインストールされたアプリケーションが、ネットワーク上のReadyDATAに直接バックアップデータを転送する。管理サーバーを別途用意する必要がないため構成がシンプルで、バックアップ対象台数の少ない環境でも導入しやすいのが特徴の1つである。

ReadyRECOVERの構成(概要)。PCやサーバー上のアプリケーションが「ReadyDATA」NASに直接バックアップデータを転送する

 ダイワボウ情報システム(DIS) 東日本営業本部 南東京営業部 南東京第3支店では、昨年国内販売が開始されたReadyRECOVERをいち早く採用し、10台の業務PCのデータをバックアップしている。採用を主導した同支店 主任の間野賢一氏は、それまで同支店が抱えていた「課題」について、次のように振り返る。

 「それまでは、支店の社員それぞれが手作業で、バックアップするファイルをNASにコピー保存していました。ですが、作業は個々人任せだったため定期的なバックアップをし忘れる可能性もあり、しかもコピーファイルの重複が発生してNASのストレージ容量を無駄に消費していました。加えて、この方法だとOS部分がバックアップできませんので、万が一PCが故障してしまってもすぐにリストア(回復)できないという問題もありました」(間野氏)

 そんなとき、ネットギアからReadyRECOVERが国内発売された。間野氏は「OS込みのフルバックアップができる」「短い間隔でバックアップが実行できる」「ストレージ容量の無駄が少ない」という3つのメリットから、ReadyRECOVERの採用を決めた。

最短15分ごとのフルバックアップ、軽快な動作を実現する技術

 ReadyRECOVERは、「最短15分ごと」という短い間隔でPC/サーバーのフルバックアップを取ることができる。したがって、万が一PCが故障しても、故障直前に作成したドキュメントデータなどを回復させることができる。

 通常、クライアントPCのフルデータは数十~数百GBに及ぶ。これをネットワーク経由でフルバックアップするには、1台ごとに数時間はかかるはずだ。これを「最短15分ごと」という短い間隔で実現している技術的背景について、ネットギアジャパンの曽利氏は次のように説明する。

ネットギアジャパン CBU マーケティング 曽利雅樹氏

 「ReadyRECOVERでは、初回にフルバックアップを行ったあとは、常に差分バックアップだけを行います。しかし、ReadyDATAが備える優れたファイルシステム(ZFS)と回数無制限のスナップショット機能を活用し、過去のバックアップデータと最新の差分データをReadyDATA上でマージ(合成)して、毎回フルバックアップを取得しているように『見せかける』ことができるのです」(曽利氏)

ReadyRECOVERのフルバックアップの仕組み。初回のフルバックアップデータに、差分データを(仮想的に)マージしていく

 PC/サーバーからReadyDATAに転送されるのは、前回のバックアップ以後に変更された差分(ブロック単位)のデータだけなので、処理は短時間で完了する。そのため、短い間隔でバックアップを繰り返すことができるわけだ。

 加えて、転送データが軽いのでネットワークにかかる負荷が少なく、差分データのマージ処理はReadyDATA側が行うのでPC/サーバー側の処理負荷も少ない。つまり、バックアップ処理の実行中も、PCやネットワークのスピードに与える影響が少ない。

 実際、DIS南東京第3支店では1時間ごとにバックアップを自動実行する設定にしているが、間野氏は「ほとんど気づかないうちに処理が終わっているほどです」と語る。さらに、同支店内は100Mbpsのネットワーク環境だが、「社員からも、バックアップ中にネットワークやPCのレスポンスが悪くなったという声は特に聞きません」と、動作の“軽快さ”を証言した。

専任IT担当者のいないオフィスこそ、ReadyRECOVERが適している

 ReadyRECOVERの導入作業は、全国に技術サービス網を持つDISの関連会社、ディーアイエス サービス&サポート(Dsas)が担当した。Dsasでは、ReadyDATAやReadyNAS、ReadyRECOVERの現地セッティングサービスを「NETGEAR社NAS導入サービス」として提供している。

 Dsas サービス本部 サービス販売部 販推アライアンス課 主任の山本和賢氏は、DIS南東京第3支店へのReadyRECOVER導入は短時間で効率的に完了したと振り返る。

ディーアイエス サービス&サポート(Dsas) サービス販売部 販推アライアンス課 主任の山本和賢氏。同社ではネットギアNASの現地セッティングサービスを提供している

 「導入作業が実施できる時間は平日の12時から13時、つまりお昼休みの間だけでした。当初はどのくらい時間がかかるかわからなかったため、2日間に分けて5台ずつ作業を行ったのですが、実際には難しい設定も特になく、PC側の作業は1台あたり10分程度で終わりました」(山本氏)

 従来のバックアップソリューションでは、フルバックアップを週に1回、差分バックアップを毎日1回ずつ実行するというものが多かった。この場合、特に時間のかかるフルバックアップの実行タイミングを、PCごとにずらして(分散して)スケジュール設定する必要があった。しかしReadyRECOVERの場合は、前述のとおりフルバックアップを実行するのは初回だけだ。そのため、細かいスケジュールに気を遣う必要がなく、楽に設定ができたという。

 ちなみに、DIS南東京第3支店が導入したReadyRECOVER(ReadyDATA)は6.4TBモデルだが、10台のPCを初回フルバックアップした時点での消費容量はおよそ2.7TBだった。その後数カ月が経過したものの、差分データの蓄積だけなので「消費容量はそれほど増えていない」と間野氏は語る。「管理作業といっても、月に何度かNASの空き容量をチェックする程度です。専任のIT担当者がいなくても、管理の手間はほとんどかかりません」(間野氏)。

 ReadyRECOVERについて間野氏は、「手離れが良く、作業工数の少ないバックアップソリューション」だと評価している。今後はディストリビューターとして、ネットギアのNASをよく取り扱っている販売パートナーにも積極的に勧めていきたいと語った。

 またネットギアの曽利氏は、同支店のように専任IT担当者のいないオフィスこそ、PCが故障した場合に業務が滞るなどの影響が大きく、バックアップで備えておく必要があると強調した。ReadyRECOVERの場合、管理サーバーを立てる必要がなく、小規模なPC台数でも導入しやすい。ReadyDATAの空き領域は、通常のNASとしても利用できる。

 さらに、ReadyRECOVERではPCのリストア作業も簡単に実行できるうえ、PCを新機種にリプレースした場合のデータ移行にも使えると、曽利氏は説明した。

 「ReadyRECOVERの場合、リストア用のCD-ROMから起動すれば、GUIベースでリストア作業ができます。また、PCの機種変更時にも、バックアップデータをそのまま新しい環境に移すことが可能です」(曽利氏)

 専任IT担当者不要で管理の手間がかからず、小規模なPC環境でも導入しやすいバックアップソリューション。ReadyRECOVERは、その有力な選択肢となるはずだ。

(提供:ネットギア)

カテゴリートップへ