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無色透明にもかかわらず鋼鉄に近い超高弾性、あらゆる用途に使えそう

モニターやスマホのカバーが超強靭になる可能性を秘めるまったく新しいガラス

2015年10月16日 16時06分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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酸化アルミニウムと酸化タンタルからなる新ガラス(無色・透明)  

 東京大学生産技術研究所は10月15日、これまでガラスになるとは思われなかった化学組成でガラスを作るのに成功したと発表した。極めて大きな弾性を持つため薄くて丈夫な新素材として有望だという。

 弾性率を上げるほどガラスは薄くても割れにくくなるが、弾性率を上げるには原子間の隙間が少なくなるような充填密度の高い構造を必要とし、高い弾性率を持つガラスは原理的には不可能とされていた。東京大学生産技術研究所らの研究グループは、これまでガラスにならない酸化アルミニウムと酸化タンタルからなる新しい組成(54Al2O3-46Ta2O5)のガラスの合成を試みた。

 酸素ガスで空中に浮上させたままレーザーで約2000度に加熱して溶融する空力浮遊炉を用い、300度/秒という速度で急速冷却によって合成に成功。作られたガラスは無色透明というだけでなく、酸化物ガラスのなかでは最高となるヤング率160Gpaの超高弾性を持つ。

空力浮遊炉を用いたガラスの合成

 一般的な酸化ガラスのヤング率は80Gpa程度であり、160Gpaという数値は鋼鉄(200Gpa)に近く、非常に応力に強い透明素材が新たに開発されたことになる。硬度も極めて高く、薄くしても丈夫な新素材として、エレクトロニクス用基板から建築材料、各種カバーガラスなど幅広い応用に期待できるという。

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