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グーグル、一部の通販系クエリでスパムフィルタを導入

2015年10月02日 16時18分更新

記事提供:SEMリサーチ

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グーグルは2015年10月1日、ウェブマスター向けに不定期開催しているオフィスアワーの中で、一部の通販系クエリにおいて発生している悪質なスパムを排除することを目的にスパムフィルタを導入していることを明らかにした。

本事象は2015年8月下旬頃より Google 日本語自然検索結果において観察されていたが、極端に検索結果件数が減少することから原因がバグか検索仕様の変更か定かではなかった。今回、公式にスパム排除のためのフィルタであることが公表された形だ。

新しいスパムフィルタは、「アクセサリ、雑貨、ファッション系の一部の検索クエリ」を対象に、購入・販売系のクエリやブランド系クエリと掛け合わた複合語検索が行われた際に、スパムサイトを検索結果から排除する動作をする。具体的に例示すると「iphone6 ケース 安い」「激安 レディース バッグ」「ブーツ ブランド 販売」「ベビーカー アップリカ」「ピアス シャネル メンズ」といったキーワードで検索すると、自然検索結果が数件~数十件程度しか表示されないことを確認できる。

同社はこのスパムフィルタ導入の目的を「ハッキングによるスパムを取り除くための仕様」としている。フィルタが対象としているファッション・アクセサリ・雑貨系クエリと通販系・ブランド系クエリの掛け合わせ語句は、以前からさまざまなスパム手法による自然検索結果の汚染が問題となっていた領域だ。過去に本サイトでは「偽の通販サイトへ消費者を誘い込む SEOポイズニングが増加」や「WordPressの脆弱性をついたSEOスパムが増加中 注意を」「クラッキング&スパムSEOによる検索結果占拠(キーワード:ティファニー 婚約指輪)」といった記事でこの問題点を指摘してきた。本スパムフィルタの導入により、こうしたスパムサイトが軒並み自然検索結果から排除されるため、検索品質の向上やショッピング目的の検索の安全性が高まるというメリットがある。

その一方で、スパムフィルタにより問題のない(正規の、一般的な通販)サイトの大半も検索結果から除外されてしまうことも確認している。つまり、一部の大手サイトを除き先述した検索キーワードで全く検索結果に表示されない事態となるため、対象商品アイテムを取り扱う中小通販サイトは大半の検索流入を失う事態となっている。

ただし同社は「極端な検索結果数減少については、引き続き改善を続けていく予定」としているので、将来的にこの問題は解消される見込みだ。


2015年10月1日オフィスアワー
https://youtu.be/qvb7tZ57kcc?t=899

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