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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第40回

特別編 『ケイオスドラゴン』企画 太田克史氏(星海社COO)インタビュー

アニメは"もし虚淵氏や奈須氏がサイコロを振り直したら?"の世界

2015年08月23日 15時00分更新

文● 渡辺由美子(@watanabe_yumiko) 編集●村山剛史/ASCII.jp

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(C)混沌計画/「ケイオスドラゴン赤竜戦役」 製作委員会

 毎回、視聴者の間で話題になったアニメ作品を取り上げる本連載だが、今回は趣向を変えてお届けしたい。

 7月から始まったTVアニメ『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』は、虚淵玄奈須きのこなど5人のクリエイターが紡いだ物語『レッドドラゴン』を原典にした一大メディアミックス「ケイオスプロジェクト」の中核を成す作品だ。

 プロジェクトの仕掛け人は、星海社の太田克史氏

 アニメ『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』、スマートフォンゲーム『ケイオスドラゴン 混沌戦争』、そしてボードゲーム『ケイオスドラゴン 覇王春秋』の濃密な連動を特徴とし、「スタープレイヤーがプレイしたボードゲームの結果が、スマホゲームの展開に影響を与える」など、新時代を予感させる試みが満載だ。

 しかし太田氏によると、その源流は「昔ながらのTRPG(テーブルトークRPG)」にあるという。

 今回は、自らを『ロードス島戦記』直撃世代と語る氏にケイオスドラゴンの成立経緯や見どころ、そしてプロジェクトの連動について聞いた。

 新時代のキーワードは、「ライブ感」と「偶発性」だ。

プロフィール:太田克史氏

TVアニメ『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』で企画を務める太田克史氏にお話を聞いた

 1972年生まれ。岡山県出身。星海社代表取締役副社長COO。

 1995年講談社に入社。講談社ノベルスで京極夏彦、西尾維新、奈須きのこらを担当。2003年に文芸誌「ファウスト」、2006年に書籍レーベル「講談社BOX」を創刊。2010年、講談社の子会社である星海社の代表取締役副社長COOに就任。

 7月開始のTVアニメ『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』では企画を務める。


『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』イントロダクション

 世界を分かつのは、冷戦状態にあるふたつの大国。一度は征服しながらも、いまでは衰退しつつある軍事国家・ドナティア帝国。もう一方は、かつては遅れをとったが、いまや旭日の極みにある黄爛国。その中間地点には、世界の覇権をめぐって相争う大国の間で翻弄され続けてきた島国――ニル・カムイが存在した。

(C)混沌計画/「ケイオスドラゴン赤竜戦役」 製作委員会

スタッフ
原作:混沌計画、監督:松根マサト、シリーズ構成:小太刀右京(チームバレルロール)、構成補:會川昇、ストーリーマスター:三田誠、キャラクター原案:虚淵玄 奈須きのこ 紅玉いづき しまどりる 成田良悟、キャラクターデザイン原案:しまどりる、キャラクターデザイン:滝本祥子、美術監督:明石聖子、色彩設計:小島真喜子、撮影監督:廣岡岳、3D監督:濱村敏郎、編集:坪根健太郎、音響監督:岩浪美和、音楽:崎元仁、アニメーション制作:SILVERLINK./CONNECT

キャスト
忌ブキ(イブキ):井上麻里奈、スアロー:斉藤壮馬、婁震華(ロー・チェンファ):内田真礼、エィハ:沢城みゆき、禍グラバ(カグラバ):石塚運昇、<赤の竜>:大塚芳忠 ほか

放送情報
TOKYO MX:7月2日(木)22:30~、KBS京都:7月2日(木)25:00~、BS11:7月2日(木)25:00~、サンテレビ:7月2日(木)25:30~

配信情報
ニコニコ生放送:7月2日(木)25:00~、ニコニコチャンネル:7月2日(木)25:30~、dアニメストア:7月3日(金)12:00~、アニメパス:7月3日(金)12:00~ ほか

Blu-ray/DVD『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』第1巻は9月16日(水)発売!

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原作は小説ではなく「TRPGリプレイ」
6人のクリエイターによる即興演劇のようなもの

―― 7月2日に放送開始したTVアニメ『ケイオスドラゴン 赤竜戦役』の原作は、クリエイターの方々が集まってTRPGをプレイする模様を収めた『レッドドラゴン』というウェブコンテンツおよび単行本ですね。アニメ原作としては風変わりな手法だと思いますが、そもそも「TRPG」とはどういったものなのでしょうか?

太田 TRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)というのはボードゲームの一種です。プレイヤーが1人のキャラクターになりきって、ゲームマスターが提示するシナリオの場面ごとに自分がしたい行動を選択し、その行動が可能かどうかをダイス(サイコロ)の目によって決める形で物語が進んでいきます。

 ケイオスドラゴンの原作である『レッドドラゴン』では、虚淵玄さん、奈須きのこさん、紅玉いづきさん、しまどりるさん、成田良悟さんの5人がプレイヤーを、そして三田誠さんがマスターを務めました。

 プレイ中には、崎元仁さん書き下ろしのBGMを流したり、専用ジオラマをグッドスマイルカンパニーさんに作ってもらったりもしました。最高のフィクションを創り上げるためにTRPGの手法を用い、新しい物語が生まれてくるための最高の環境を構築する。これらを称して僕らはRPF(ロール・プレイング・フィクション)と呼んでいます。

 つまり、TVアニメ『ケイオスドラゴン』の元になった物語が、RPF『レッドドラゴン』なんです。虚淵さんや奈須さんが実際にプレイした様子(リプレイ)の一部は星海社のウェブサイトで公開されており、その後書籍になっています。

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―― 『レッドドラゴン』を読んでみたのですが、じつは、リプレイ本というのは私自身は読み慣れなくて……最初は少し難しかったです。

太田 演劇の台本みたいなものですからね。「誰が何をした」という言葉が台本のト書きみたいな形で入ってくるんですよ。

 プレイヤーにとって、TRPGをするというのは、ある意味、即興演劇なんです。

―― 演劇ですか。

(次ページでは、「豪華クリエイター陣を集めてTRPGをプレイしてもらった理由は……中二の夢!?」)

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