マイクロソフトの次期OS「Windows 10」の無償アップグレード予約が開始されている(関連記事)。Windows 8.1およびWindows 7を搭載したPCでは、デスクトップ画面右下のインジケーターに「Windows 10を入手する」というメニューがWindows Update経由で提供されており、ここから予約が可能だ。
ただし、無償アップグレードにはできるかぎり慎重になることをオススメしたい。なぜなら、「Windows 10を入手する」ボタンが表示されているからといって、必ずしもそのモデルがアップグレード可能だと保証されているわけではないからだ。無用なトラブルを避けるため、この記事では無償アップグレードに関する主な注意点を紹介していこう。
最低システム要件はWindows 7とほぼ変わらないが……
現在発表されているWindows 10の最低システム要件は、CPUクロックが1GHz以上、メモリー容量は32bit版では1GB、64bit版では2GB。ストレージの空き容量は32bit版では16GB、64bit版では20GB必要だ。ディスプレーは8型以上(解像度1024×600ドット)をサポート。また、無償アップグレードには3GB程度のストレージ空き容量が必要になる。
最低要件はWindows 7からほぼ変わっておらず、Windows 7以降のOSが動作するPCなら性能的には問題なくクリアできるだろう。ただし、ドライバー提供の問題や、CPUそのものがWindows 10の機能をサポートできず、アップグレードに失敗する可能性があることには気をつけたい。実はWindows 8のリリース時にも、従来OSからの移行で似たような問題が起きている。該当しそうなユーザーは、今後発表されるであろう詳細なシステム要件を確認した上でアップグレードを検討するほうが賢明だ。
アップグレードでメーカー保証対象外に!?
ドライバーが提供されない機種も
Windows 10の対応状況を記載したメーカーサポートページは、現状ではNEC PCが公開しているものの、ほとんどのメーカーは対応できていない。メーカーによっては公表に多少時間がかかる見込みで、OSのリリース日である7月29日に間に合うかどうかは微妙なところだ。ただ、自分が使用しているメーカー製PCやタブレットをWindows 10にアップグレードするつもりなら、そうしたサポート情報に目を通すことから始めたい。一部のハードウェア(使用パーツ)に対しては、Windows 10用のドライバーが提供されないおそれがあるからだ。
いくつかのメーカーに確認したところ、一部の製品はハードウェア構成の関係上、Windows 10への対応を見送らざるを得ない場合があるようだ。タブレットでは特にその傾向があるようで、注意する必要がある。また、基本的にメーカーは「自社で販売したOSに関してはサポートを実施する」方針で動いているため、無償アップグレードを実施したデバイスはサポートの対象外となる可能性があるという。
現在のところ、Windows 10に無償アップグレードしたデバイスをもとのWindows 7やWindows 8.1にダウングレードできるかどうかは不明だ。仮にデバイスがサポート対象外となっていた場合、取り返しがつかなくなることも考えられるので、慎重になったほうがいいとは言える。
アップグレードはしばらく後でも遅くないのでは?
一見親切そうにも見える「Windows 10を入手する」ボタンだが、ユーザーのPC環境によっては無用なトラブルを引き起こすこともありえるので、注意が必要だ。少なくとも、各メーカーから今後提供されるサポート情報を確認した上で予約しても遅くはない。無償アップグレード期間はリリースから1年間を予定しているので、くれぐれも導入は慎重に!