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外国人インターンはクラウド時代のグローバル化の触媒である

2013年12月25日 04時12分更新

松下 康之/アスキークラウド

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 先日、クローズドな勉強会でご挨拶したセキュリティ関連のソフトウェアを開発販売しているHDEの中の人に「弊社にはチュニジア人のムスリムのインターンが居るんですよ!」と教えられて、「インターンなのにチュニジア人!?しかもムスリム?!」と興味を持ったので、お話をきいてみた。

 まずは今回の経緯を代表取締役、CTOの小椋一宏氏に伺った。「元々は、ソフトウェア開発のスピード感がすごく速くなっているという実感から出てきたことなんです。つまり、これまでは英語で最新バージョンが出てきてその数カ月後に解説書が出来てそれからそれを読んで勉強して次のバージョンまで2年くらいはそのソフトウェアを使える、そういう流れだったと思うんです。でも今は英語で新バージョンが出来たらもう3ヶ月後には次のバージョンが来てしまう。そのぐらいの速さで世の中のソフトウェア開発が進んでいる。そういう時代になったんだなと」と小椋氏は語る。

 そしてそういう速さで出てくるソフトウェアに対応するためには英語で文献や開発者のサイトを読んで理解する能力が必要だと語る。そのためになんとか英語の能力を上げたい、と考えて実行したのが外国人のインターン採用だった。「そのためにいきなり海外に進出したりするのも冒険ですよね。そしてきっとそれでは組織全体の底上げにはならない。社員として外国人を採用するのも大変ですし。なのでまずは短期のインターンを採用して中に取り込んでから、組織を適応させようと思いました。」つまり、外国人インターンを触媒として日本語だけで仕事をしてきた組織の英語能力の活性化に使おうという方法論だ。

 HDEでは「グローバルインターンシッププログラム」という名称でプロジェクト化されており、過去1年間に4名のインターンが働いた実績が残っている。過去のインターンの国籍もフランスやベトナムなど多様だ。そして今季はチュニジアからやってきたマロエン・マスリさんがソフトウェアエンジニアとして働いている。マスリさんはイスラム教徒ということで、生活面では色々と面倒なことはありませんか?と聞くと「とても快適だ。日本で働くのが好き」と聞き取りやすい英語で答えてくれた。一日五回の礼拝も特に支障になっていないようで、本人は大好きなマンガやアニメに触れられる日本での生活を大いに楽しんでいるように見える。

左から執行役員の天野氏、代表取締役小椋氏、社長室中込氏、チュニジアからやってきたマスリ氏。

左から執行役員の天野氏、代表取締役小椋氏、社長室中込氏、チュニジアからやってきたマスリ氏。

 受け入れるHDEの日本人社員はこのプロジェクトをどう捉えているのか、執行役員で社長室長の天野治夫氏に聞いた。「インターンプログラムは上手くいっているように思います。実際にエンジニアを採用するのもコストが掛からずほとんど口コミで候補者が集まりますし。韓国の大学に留学しているベトナム人学生のコミュニティで拡がってそこから何人も応募が来たりします。そういう意味では集めるほうは問題無い。受け入れる側もだいぶ慣れてきたので、外国人を組織の一員として受け入れる準備は出来ていると思います」と語る。既に次の段階として正社員として外国人を採用する方向で進んでいるという。

 なお、外国人インターンに好評なのかは分からないが、HDEには「ドクターペッパーは無料」という福利厚生(実際にはドクターペッパーが大好きな社長の小椋さんの自腹だそう)があるということで冷蔵庫にはいつもドクターペッパーが補充されている。そしてこのクリスマスには無料のドクターペッパー自販機が社内に導入された。遂に会社の経費として無料ドクターペッパーが認められたとのこと。ちなみにドクターペッパー仕様のコカコーラ自販機は特注で日本で一台らしい。

日本に一台のドクターペッパー仕様の自販機

日本に一台のドクターペッパー仕様の自販機

 外国人を無理せずに組織に受け入れ、組織の英語力を上げる方法論としてインターン制度はもっと拡がってよいのではないだろうか。HDEの今後を見守りたい。

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