2013年11月19日にGoogleから申請されていたパテントが受理されたことに関してBBCが報道を行っている。これはツイッターなどのSNSに対して自動的に返信を行うシステムに関するものだ。
BBCの記事:Google patents robot help for social media burnout
http://www.bbc.co.uk/news/technology-25033172
実はGoogleは過去に人力で様々な質問に人力で答える有料のサービスを開設していたことがある。2006年に停止されたGoogle Answersだ。Webを検索するだけでは得られないような質問に対して専門の担当者が回答するという全てをアルゴリズムで解決したがる現在のGoogleにはおよそ似つかわしくない手間とコストが掛かるシステムだった。
今回のSNSの自動返信システムは、SNSでの行動や言動をモニターすることによって「自動的にあなたがやりそうなこと、言いそうなことを代わりに返信する」というシステムらしく、全てをアルゴリズムで処理したいGoogleらしいシステムと言えるだろう。Google Answersの真逆の発想だ。
実際にはこの機能は個人のプライベートなアカウントに適用されるというよりは、企業向けのサポート用のSNSアカウントに適用されることを狙っているのかもしれない。実際に様々な企業においてSNSを使った対話はマーケティングというよりもサポートの一種として機能していることが多いと思われるからだ。代表的な例はアメリカで会計ソフトを販売しているIntuitだ。
IntuitのブログでもSNSを使う上で最も大事なことの2番目に対話することを挙げている。しかしそのIntuitのツイッターアカウントでさえ、最近はイベントの告知などがメインで顧客と対話する傾向は減っているように見える。
つまり対話することで担当者が疲弊することを防止するために、ある程度の返信などは自動化することをGoogleは狙っている様に見える。Google Appsのひとつの機能として組み込まれるのはそう遠くないのかもしれない。企業にとってもこれで無駄な炎上が減らせるのであればありがたいだろう。アドビなどソーシャルメディアを活用するデジタルマーケティング関連サービスを開発している企業にとっても無視できないパテントとなるだろう。