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Apple Geeks ― 第131回

指紋認証「Touch ID」から読み解くiOS/iPhone/iPadの未来

2013年10月18日 18時30分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

Touch IDの仕組み

 iPhone 5sの発売から1ヵ月、予約待ちも徐々に解消されてきた。3つのカラーバリエーションのうち、比較的生産台数が少ないと思われるシルバーとゴールドは相変わらず待たされるようだが、年末にかけて落ち着いてくることだろう。

 1ヵ月間使用し改めて感じるのは、指紋認証機能「Touch ID」の存在感だ(関連記事)。使用する場面はロック解除が大半で、しかも指を軽くタッチするだけで使えるため、存在感があるという表現は矛盾しているが、もはやTouch IDなしにiPhoneを使う気にはならないという意味で正しい。Touch IDを有効にしていないというiPhone 5sユーザーに出くわせば、その便利さを諄々と説明してしまうほどだ。

 ただし、Touch IDは昔ながらの文字入力(パスコード)による認証方式の補助機能と位置付けられているようで、今もパスコードを入力する場面は残る。指先が濡れているときなど、5回連続して指紋のスキャンに失敗すると、Touch IDは一時的に使用不可となりパスコードの入力を余儀なくされる。痛恨の極み……とまではいかないが、腹立たしいことこの上ない瞬間だ。

5回連続して指紋認証に失敗したときと、iPhone 5Sの再起動後にはパスコードの入力を求められる

 Touch IDを支えるハードウェアは、センサーを保護し指にフォーカスを当てるレンズの役割を果たすサファイヤ結晶、指を検出し指紋の照合開始をシステムに促すスチールリング、500ppiという高い分解能を有する静電容量方式のセンサーで構成されている。指先をボタンに軽く重ねると、センサーは指先をスキャンして表皮下層から高解像度の画像を取得、指紋の隆線がどの方向を向いているかなど微細な差を識別することにより、登録済の指紋と一致するかチェックするという仕組みだ。

iPhone 5sだけの指紋認証機能「Touch ID」のハードウェアは、サファイヤ結晶やセンサーなど複数の層で構成されているセンサーの分解能は500ppi、170ミクロンという薄さだ
Touch IDの指紋登録作業は、タッチしたり離したりを繰り返し進めていく

 セキュリティ機能としての精度を検証するには時間を要するが、Touch IDがそれなりの堅牢さを有していることは確かだろう。食用グミに指紋を写しスキャンを突破する、いわゆる「グミ指」に成功したとかしないとかいう話も聞こえてくるが、現段階ではパスコードの補助という位置付けであり、用途はロック解除とiTunes Store/App Storeの決済に限定されている。むしろ今後どのようなシチュエーションで活用されるのか、将来性を思い描くほうが建設的なのではないだろうか。

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