HD Graphics 2500の
3分の2程度の描画性能
Bay Trail-Tの内部構造が下の画像だ。同じくSilevermontコアを搭載するAvotonの内部構造と見比べるとわかりやすいが、基本的な同じ仕組みになっている。
ノースブリッジには以下の違いがある。
- CPUコアは8個から2/4個に削減
- メモリーコントローラーの種別が変更
- HD Graphicsやビデオデコーダー、ディスプレーコントローラーなどを搭載
- Image Signal Processorを搭載
しかし、基本となるSilvermont System Agentは共通で、またここからIOSF Fabric経由でサウスブリッジ側に接続される構造も同じである。このあたりはモジュール構造であり、骨格となるSystem AgentやFabricにどんなコンポーネントを追加するかだけの差でしかない。
大雑把に、前世代であるClover Trail+との違いを比較したのが下の画像だ。
以下、もう少し細かく説明がある。CPUコアそのものは連載219回のAvotonで説明したので、今回は割愛するとして、まずはグラフィックスだ。
Clover Trail+まではPowerVR SGXを採用していたのに対し、Bay Trail-TではIvy Bridgeと同じ世代のIntel HD Graphicsのコアを搭載した。もっとも同じなのはあくまでも基本構造だ。
Ivy BridgeではHD Graphics 2500が6EU(Execution unit:実行ユニット)、HD Graphics 4000で16EUという構成だったのに対し、Bay Trail-Tでは4EUとなっている。
動作周波数もHD Graphics 2500で650MHz/1150MHz、HD Graphics 4000では350~650MHz/900~1300MHz(それぞれ定格/ターボ利用時の最大)となっていたが、Bay Trail-Tでは667MHz以上になっている。
大雑把には、HD Graphics 2500の3分の2程度の描画性能というあたりだろう。携帯電話向けと比較すれば消費電力や放熱にゆとりがあるとはいえ、それなりに省電力に振らないと使い物にならないため、EUの数を減らすのは致し方ないところであろう。
加えて、Sandy Bridge以降で搭載されているIntel QSV(Quick Sycn Video)などもそのまま搭載されているため、このあたりでの性能改善も著しい。
そのQuick Sync Video関連がこちら。基本的なスペックはIvy Bridge世代のQuick Sync Videoにほぼ等しく、H.264でのフルエンコード/デコードが可能になっている。
MPEG2エンコードのサポートは部分的だが、今さらタブレットでMPEG2のエンコードを行なう可能性はほぼないと思うので、これは欠点とは言えないだろう。
2画面出力に対応
液晶の消費電力を減らす機能も!
画面出力は2つのパイプを搭載しており、HDMI/Display Port/embedded DisplayPort/DVIへの出力が可能となっている。
最近はメインの液晶とは別に、TVや液晶ディスプレーに繋げられるようにするのが当たり前で、これに普通に対応しているということだ。解像度も最大2560×1600ドットなので、当面はこれを超える需要が出ることはないだろう。もっとも外部ディスプレーの最大解像度は1920×1080@60fpsどまりであるが。
ところで4つ前の画像にあるBay Trail-TとClover Trail+の違いに、DPST 6.0に対応というのがあったが、その詳細が下の画像である。これは、通常よりもバックライトの輝度を落とし、画像の輝度をその分引き上げることで、見た目を同じにするというものだ。
もちろん、元々が明るめの画面だと対応に限界はあるが、ある程度暗い画面であればこの方法を使うことでバックライトの輝度をグンと落とせる。タブレットの場合、バックライトの消費電力が馬鹿にならないため、効果的に省電力を図れるというわけだ。
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