指紋が目立たず滑りづらいマットな表面素材を採用
XPS 12はディスプレーが回転することがミソのモデルではあるが、一般的なノートPCのスタイルとして見ても不格好なところはない。トップカバーと底面は両方ともマットな素材で作られており、カーボン風の市松パターンが薄くプリントされている。実際に触るとラバー風の触感があり、素手で触れた時に軽い滑り止め効果があるという感じだ。指紋等も目立たず、素手で掴んで持ち運んだ場合でも見苦しくなりづらい。
ディスプレー回転時のフレームとなるトップカバー側の縁部分と中央のロゴ、底面側から見たヒンジの一部と中央の小さなパーツだけがマットシルバーとなっている。これも落ち着いてよい雰囲気だ。
ちなみに、底面の小さなカバー部をあけるとサポートを受ける時に利用する「エクスプレスサービスコード」を確認できる。通常、底面側にあるリサイクルマークなどがこの内側にプリントされているので、非常にすっきりしている。
くるっと回る機構は想像以上にしっかり
XPS 12で閉じた状態からディスプレーを開く時には、普通はフレーム部に指をかけて持ち上げるだろう。また、人によっては小さな角度調整を直接画面部を押して行うかもしれない。だが、画面の角度を調整する程度の力では、ディスプレーはフレームから分離しない。
360度回転するのではなく、180度回転するタイプのヒンジを採用しており、ノートPC型で普通に使う姿勢からいえば画面上部を向こう側に押し出す形に動くのだが、指先で押している程度では普通のノートPCと変わらない感覚だ。フレームから外す気で、フレーム部をおさえながら親指で押し出すようにすると、カチッと音がして外れる。不要時に動いてしまうことはなく、必要な時にはスムーズに利用できるほどよい加減だ。
XPS 12のディスプレーを回転させてみると、その動きは想像以上にスムーズだった。1度フレームから外れてしまえば、上辺が下辺に届くところまでなめらかに回転する。すばやく回転させれば本当に一瞬で、回転した先でカチリとフレームにはまってくれる。実際には必要ないだろうが、中途半端な位置で止めることも可能だ。
複雑な構造だと可動部が増えた分だけ華奢でもろくなる印象だが、XPS 12の場合はこの機構を知らずに使えば、何の変哲もないノートPCだと思ってしまいそうなほどしっかりしている。
一般的なノートPCとしての利用や、ディスプレーを表に出した状態で畳んだスレートPCスタイルだけでなく、いろいろな使い方ができる。
たとえばディスプレーを外に向けた状態でヒンジ部を上にして山形に置く形は、フォトビュワー的な使い方で活用できるだろう。ディスプレーを回転させただけでキーボードを露出させておくと、相手に見せたい時と自分で操作したい時を素早く切り替えられるからプレゼンテーション等に活用できそうだ。もちろん、スレートPCスタイルにすれば画面回転をして縦型に使うこともできる。
バックライトつきキーボードで暗い部屋でも入力は快適
XPS 12のキーボードは、アイソレーションタイプだ。キー配列に変形はなく、軽めのタッチでスムーズに入力できた。暗くなるとバックライトが点灯するため、薄暗い部屋で作業したい場合にも便利だ。タッチパッドはボタン一体型となっている。パームレストもタッチパッドもさらさらした手触りの素材で、キートップもマット。指紋が目立つことはない。
インターフェースはほとんどが本体右側に集中している。電源コネクタ、Mini DisplayPort、USB3.0端子×2が右側に集められている。USB端子の隣にあるのは、バッテリー状態を示すバッテリーステータスボタンだ。その隣にあるバッテリーステータスライトは電源ケーブル接続中は常時点灯しているが、バッテリー駆動中は消灯する。バッテリー駆動中に残量を知りたくなった時、ここを押すと一定時間だけ点灯してくれるという仕組みだ。
本体左側には画面回転ロックボタン、ヘッドフォン/マイクコンボポート、電源スイッチ、ボリュームコントロールボタンが並ぶ。メディアカードリーダーは搭載されておらず、インターフェースは最小限に絞ってあるという印象だ。
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