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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第115回

ツアー開始は3月27日から!

ニコ動で活躍のバンドが東北ツアー? 仕掛け人は日本屈指のPA

2013年03月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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題字はあらいやかしこの梨本ういさん作

 ネットシーンを代表する人気バンド4組による東北ツアー「このへんで一番旨いものをよこせ! Vol.1」(略して「このうま!」)が3月27日からスタートする。

 出演は、AGOBOT(アゴアニキ、ヒトミ、だい、アツシ)、ヒトリエ(wowaka、衝動的の人、イガラシ、ゆーまお)、あらいやかしこ(梨本うい、KMT、taro0)、ポニー(家の裏でマンボウが死んでるp、店長、ケンタウロス、花火職人のカスミさん、ビタミンC)。東京から大型バスをチャーターして、バンドとスタッフを乗せてライブハウス3ヵ所を回るという、いかにも楽しそうな企画だ。

「このへんで一番旨いものをよこせ!」

ツアースケジュール

チケットは現在発売中

 いずれも17:30開場 18:00開演、前売1500円/当日1800円(要1ドリンクチャージ500円。高校生以下は1ドリンク主催負担。入場時に学生証を提示のこと)で、チケットはそれぞれe-plusで発売中。

 なお、28日の大船渡公演と、29日の石巻公演では、ライブ後にツアーバスが運行される。大船渡からは陸前高田経由で気仙沼行き、石巻からは仙台行きで、それぞれ500円で利用できる。

 このツアーを企画したのは、さいたまアリーナや武道館などで音響を手がける、有限会社パブリックアドレスの社長、武井一雄さん。PA業界では「スピーカーをチューニングさせたら日本一」と言われる人にも関わらず、デッドボールPのワンマンライブ(関連記事)をはじめ、ボカロP界隈のライブイベントには、手弁当で仕事を買って出る。

 その彼がライブツアーの企画まで始めたのは、もちろんれっきとした理由があるのだ。

1年半のチャージ期間を経て帰ってきた伝説のライブイベント「ドキ生」が、「ドキ生R」として今年復活。2013年1月12、13日にの2日間に渡って吉祥寺CLUB SEATAで行われた。会場のミキシングコンソールにはもちろん武井さんの姿が

武井さんは極度のミク廃であり、仕事場にも必ず「俺の嫁」が鎮座する

東北の3都市に音楽の現場を作る

―― まず「PAの人がなぜツアー?」と思うわけですが、企画はこれ初めてですよね?

武井 そうです。

―― 以前、武井さんは東北のライブハウスにPAのチューニングに行かれてましたけど、それと関係ありますか?

武井 それがきっかけではあります。今回のツアーで回る3つの街には、去年新しくできたライブハウスがあるんです。被災地で新しい音楽の場を作ろうということで、SPCという同業者※1がボランティアベースで作ったものなんです。

―― 3つとも新設ですか?

武井 そうです。震災後の状況の中で、バンドが演奏しようとしても、場がなければ難しい。会場も機材もなければ、お金もかかりますから。でも演れる場所さえあれば、ハイエースに楽器とメンバーを積んでいけば、最低限ライブはできる。そういうインフラを作ろうというのが、このプロジェクトの趣旨です。

―― それは面白いですね。同じエンジニアが音楽をやる場所を作ろうと。

武井 それで余っている機材を寄付してほしいという呼びかけがあって。照明や楽器も含めて、全国から集まった機材で出来上がったライブハウスなんです。石巻の会場にはうちから機材を提供したんですけど、モノを持って行っただけでは面白くない。僕が思ういい音が出る状況まで作りたいということで、自分で調整しに行きました。

―― そこに今度は音楽の中身も持って行こうと。

武井 そうですね。去年その3つのライブハウスがオープンして、普通に商業的にやっているアーティストが、もう何度も行っているんですけど、そこに僕が愛するシーンの人達と行きたいと。

※1 SPC peak performance: ライブ音響チーム。「東北ライブハウス大作戦」と銘打ち、宮古、大船渡、石巻の3ヵ所にライブハウスを作った。宮古、大船渡が2012年8月、石巻は同年10月にオープン(東北ライブハウス大作戦のサイトはこちら)。

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