このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Dreamforce 2012レポート 第5回

CLOUD EXPOには最新製品が相次ぎ展示

ヴァージンのブランソン会長やGE会長らと語る経営の秘訣

2012年09月24日 06時00分更新

文● 大河原克行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 米セールスフォース・ドットコムが開催している「Dreamforce 2012」では、初日に行なわれたゲストキーノートで、ヴァージングループ創業者のリチャード・ブランソン氏が登壇。また、2日目には、米国国務長官を務めたコリン・パウエル氏と、ゼネラル・エレクトリック(GE)の会長兼CEOのジェフ・イメルト氏が登場。米セールスフォース・ドットコムの会長兼CEOであるマーク・ベニオフ氏との対談のスタイルで、それぞれ講演が行なわれた。

初日には、ベニオフ氏単独の基調講演のほか、ブランソン氏とベニオフ氏によるゲストキーノートも行なわれた

 ヴァージンのブランソン氏は、20歳だった1970年に、レコードの通信販売会社としてヴァージンを創業。現在はヴァージングループとして、世界29カ国400以上の系列会社を通じて航空や鉄道、レジャー、ホスピタリティ、通信、メディア、医療・健康、宇宙旅行、クリーンエネルギーなど多岐に渡る事業を展開。ブランド全体の売上高は、210億ドル(約1.6兆円)に達するという。

ヴァージングループ創業者のリチャード・ブランソン氏

 大西洋横断などの世界記録に挑戦し、自らを冒険家と称するブランソン氏は、「冒険家と企業家には、それほど違いはない。冒険家は誰もやったことがないことをやるが、企業家は今まで実現したことがないものを実現する。事前にリスクを回避するための手を考え、綿密なプランを練る点でも冒険家と企業家は同じである」としたほか、「多くの企業を経営するには、人に任せて、チャンスを与えることが大切である。ヴァージングループは、それがうまくいった」などと語った。

米セールスフォース・ドットコムの会長兼CEOであるマーク・ベニオフ氏

 また、「Global Commission on Drug Policy」の活動に触れながら、麻薬は犯罪ではなく、健康上の問題として捉えたほうがいいなどといった持論を展開。さらに、鮫の保存活動や、プラスチックボトルを排除する活動についても言及。イランの核保有に対する懸念や、宇宙船を飛ばすという同氏のスペースプログラムなどについても触れた。

元国務長官とGE会長も駆けつける

2日目のゲストキーノートではコリン・パウエル氏とジェフ・イメルト氏が招かれた

 2日目のゲストキーノートに招かれたパウエル氏は、1987年~89年までレーガン政権下で国家安全保障問題担当大統領補佐を務め、89~93年まではブッシュ政権およびクリントン政権下で統合参謀本部議長に任命。また、ブッシュ政権下では第65代国務長官に任命され、さまざまな紛争地域への対応と解決に向けてリーダーシップを発揮。

 ゼネラル・エレクトリック(GE)の会長兼CEOのジェフ・イメルト氏は、2000年に社長兼CEOに就任。2001年には第9代目の会長としてバロンズ誌が選ぶ「World's Best CEOs」に3度選ばれるなど、その経営手腕が世界中から注目されている。オバマ政権では、雇用および競争力に関する大統領諮問委員会の議長を務めている。

元米陸軍大将のコリン・パウエル(Colin Luther Powell)氏

 パウエル氏は、「インターネットを作ったのは米国。そして、GPSを作ったのも米国である。AOLが始まった当時は100万人の加入者がすごいと思い、56kbpsでもすごいスピードだと思っていたが、いまでは比較にならないほど広がり、情報革命によって世の中が大きく変わっている。情報革命を通じて世界の人々を動かすことができる。そして、何億の人たちを貧困から救うことができる」と語りながら、「だが、危険な部分もある。とくに、ソーシャルではつながりすぎており、プライバシーの問題もある」などと指摘した。

 GEのイメルト氏は、「GEは創立150年を迎えた会社であるが、若くてフレッシュな会社になりたいと思っている。その点において技術は重要であり、それによって、これからどんな波が来るのかを学習できる。全世界130カ国で30万人が勤務し、9つの大きなビジネスユニットを持つGEは、Chatterを活用したことで、経営にスピードを与えることができた」などと語った。

ゼネラル・エレクトリック(GE)の会長兼CEOのジェフ・イメルト氏

 また、米国における高い失業率の改善には、新たな産業や新たなリーダーが必要であるといった内容についても議論。そのほか、中近東の情勢などについても話題が飛び、世界的に新たな雇用を創出することが求められていることや、それに向けて若者の教育に投資する必要があること、エネルギー産業に期待をしていることなどが挙げられた。さらに、原子力問題の話題を発端に、イランの核兵器保有に関しても言及。パウエル氏は、イランの動きに強い懸念を示してもみせた。

 対談の途中、2人の意見に対して、会場から何度も大きな拍手が起こっていたのが印象的だった。

(次ページ、「展示会場「Cloud EXPO」にも多くの人が」に続く)


 

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ