矢野経済研究所は4月18日、「電子書籍市場に関する調査」を行い、その結果を発表した。
調査結果によると、2010年度の電子書籍市場規模は前年度比6.3%増の670億円だった。2010年のApple社iPadの発売を契機に、電子書籍が注目を集め、多くの電子書籍コンテンツが商品化された。ただし、コンテンツのラインアップが充分でないことなどから、電子書籍市場は立ち上がりの段階といえる。
2011年度は引き続き、電子書籍コンテンツのラインアップが強化され、電子書籍市場は堅調に拡大すると予測。ただ、日本の電子書籍市場は、著作権の問題や既存出版流通との関係など多くの課題があり、米国のように爆発的な市場拡大ではなく、外資の参入を経ながら段階的に拡大していくとした。
調査期間は2011年11月~2012年3月、調査対象は国内出版社、印刷会社、出版取次会社など(約70社)、調査方法は同社専門研究員による直接面談、郵送・電話によるヒアリングならびに文献調査併用。
■「電子書籍市場に関する調査」(http://www.yano.co.jp/press/press.php/000927)