4月1日、沖縄クロス・ヘッドはITインフラの提供をオンラインで行なうクラウドサービス「CUMO(キューモ)」をスタートさせた。代表取締役社長の新居昭生氏にサービスのメリットについて聞いた。
簡単立ち上げでクラウドがすぐに使える
沖縄クロス・ヘッドは、ネットワークインテグレータのクロス・ヘッドの子会社で、サイボウズグループやインデックス沖縄からも出資を受けている。ネットワークやサーバー構築、ASPなどのサービスを展開するほか、名前の通り沖縄にデータセンターを構え、サーバーの運営保守を行なっている。データセンターは沖縄GIX(Global Internet Exchange)を介してアジアと直接通信できるという地の利を活かし、特にアジアへのコンテンツ配信を見込む事業者にサービスをアピールする。また、東京に比べて地震が1/3と少ないため、いわゆる災害対策用のリモートサイトとしての需要も高い。
こうした同社がスタートしたのが、クラウドサービス「CUMO」だ。サーバーやネットワーク、セキュリティ機器などを遠隔から利用できるいわゆるIaaS(Infrastructure as a Service)やHaaS(Hardware as a Service)と呼ばれるサービスで、オンラインで登録すれば専用サーバーが利用できる。現状、CUMOのデータセンターは福岡にあるが、近々沖縄のデータセンターにシステムを構築するという。実際のデモを見せてもらったが、アカウントを作成し、4種類のサーバースペックから必要なハードウェア構成を選択すると、サーバーが完成。あとはOSやサービスを選定し、IPアドレスを割り当て、ファイアウォールを設定すれば、公開用サーバーとして利用できる。
この簡単さが大きな特徴だ。OSはCentOSやdebianがサポートされ、いわゆるLAMP構成も可能。4月末からWindowsも用意される。もちろん、日本語で説明されているので、設定もわかりやすい。他のサービスと異なり、使い始めるまでの時間も短く、デモサーバーも用意される。
Amazonを使うなら沖縄でも
競合としては、国内のクラウドサービスより、Amazon EC2のような米国産のサービスを意識しているようだ。両者の環境において、ローカルでの仮想サーバー間でのDisk I/Oやファイルコピー、インターネット経由でのFTPのファイル転送やグループウェアの応答時間なども比較した資料も提供しており、国内でのサービスの優位性をアピールする。沖縄という地理的なギャップに関しても、新居氏は「海を越えた米国のAmazon EC2が使えるなら、より近い沖縄のサービスも使えると思います。特に東アジア圏へのサービス展開には有効なプラットフォームです」と語る。
料金は時間課金ではなく、月額課金で1CPU、20GB、1GBメモリで月額8400円(税込)。CPUやメモリ、HDD容量も細かく選択できる。今後はUbuntuやWindowsアプリケーションインストール済みのOSも提供するほか、可用性などを約定化したSLAについても整備していく予定だ。