新機能「Direct2D」と「DirectWrite」とは?
Windows 7では新しいグラフィックスAPIとして、「Direct2D」と「DirectWrite」がサポートされた。
Direct2Dとは、2次元(2D)のベクトルグラフィックやビットマップなど、古くからあるグラフィックスAPI「GDI」や「GDI+」がサポートしていた機能をDirectXベースに移行し、GPUの機能を利用して(=CPU負荷が少ない)高速に描画できるようにしたものだ。
DirectWriteは、フォントの表示などにGPUを利用して、高速化したAPIだ。例えば、Windows XPから導入されたフォントのサブピクセルレンダリング技術「ClearType」の場合、GPUで処理させて高速に表示できる。フォントのスムージングやグレースケールなどをGPU側で処理させることで、CPUに負担をかけずに表示できるのだ。
さらに、アルファベット文字を変形させることも、GPUで処理できるようになり、CPUに負荷をかけずに凝った文字表示ができる。
Direct2DとDirectWriteは、DirectX 10.1から追加されたAPIのため、これらの機能を利用するには、アプリケーション側が対応する必要がある。また、Windows 7に入っている「電卓」などは、Direct2DやDirectWriteは使用していない。
Direct2DやDirectWriteの機能を十分に活用したアプリケーションが出てくるまでは、Windows 7リリース後しばらく時間がかかるだろう(Office 2010ではサポートされるようだ)。将来的にアプリケーションは、GDI/GDI+からDirect2D/DirectWriteに移行していくと思われる。そうなれば、GPUの機能をビジネスアプリケーションでも生かせるようになるだろう。
異なるGPUの2枚差しに対応
DirectX 10.1の機能というわけではないが、Windows 7では異なるGPUを2つ同時に利用できるようになった。Vistaまでは、AMD CrossFireやNVIDIA SLIなどで、同じGPUメーカーの複数のGPUを同時に使うことはできた。しかし、異なるメーカーのGPUを同時に使うことはできなかった。
Windows 7では、異なるGPUを同時に動かせる。この機能を利用すれば、AMDとNVIDIAのグラフィックカードを1台のパソコンに挿して、ひとつのデスクトップとして使用できる。使用に際しては、グラフィックドライバーがWDDM 1.1に対応することが必要である。
チップセット内蔵GPUと外付けGPUの両方を利用して、マルチモニター環境を利用する、といった使い方が考えられるだろう。
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