富士フイルムは22日、撮影画像を立体(3D)表示するデジカメおよび、フォトフレーム、プリントサービスである「FUJIFILM FinePix REAL 3D System」を発表した。
8月8日発売で、予想実売価格はカメラが6万円前後、フォトフレームが5万円前後となる。なお、カメラとフォトフレームのセットも8月下旬に発売される見込みで、価格は10万円を切る予定だ。
3D動画撮影も可能
3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」は、有効1000万画素のCCDセンサーおよびレンズ(光学3倍ズーム)を2つ搭載し、同時に撮影した画像を映像処理エンジン「リアルフォトエンジン3D」により合成。背面の2D/3D液晶モニター(2.8型)で立体表示を裸眼で確認できる。
640×480ドット、または320×240ドットの3D動画の撮影もできるほか、2D画像の撮影も可能。2Dでは「テレ/ワイド同時撮り」や「低/高感度同時撮り」など、撮像素子が2つあるアドバンテージを活かした撮影が行なえる。
撮影した3Dの静止画は、3D映像の標準規格である「MP」フォーマットで保存される。一方、動画はAVI形式を拡張したフォーマットで保存される。通常のパソコンモニターなどで立体視することはできないが、付属ソフト「FinePixViewer」によりJPEGなどの汎用の2Dフォーマットに変換することで、2D映像/画像として表示できる。
撮影した画像/動画は3Dフォトフレーム「FinePix REAL 3D V1」で立体表示できるほか、「3Dプリントサービス」で専用用紙に出力することで立体写真としても残しておける。なお、フォトフレームのパネルサイズは8型(800×600ドット)で、立体映像は裸眼で確認できる。
3Dプリントサービスは本体発売以降、同社のネットプリントサイトもしくは写真店で注文できるようになるという。なお、価格は1枚500円程度の予定。
現状はFUJIFILM FinePix REAL 3D Systemでしか立体視はできない。ただし、HDMI 1.4に3D伝送の規格が盛り込まれていることや、Blu-ray Discに3Dコンテンツを収録しようという動きがあり、映像産業(映画やテレビ、映像機器など)の3D実用化の意欲は高まっている。
FUJIFILM FinePix REAL 3D Systemはそうした流れを先取りしたデバイスだと言えよう。将来的には大画面テレビなどで自分で撮影した立体映像を楽しめるようになりそうだ。