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いちばんの教材は売れている雑誌(3)――商品を説明する本文を必ず入れよう

2007年12月20日 09時00分更新

文●朝日奈 ゆか/株式会社ユンブル 代表取締役

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信頼を得るためには、商品を説明する「本文」を必ず入れる

 みなさん、こんにちは。今年も来ました、師走、クリスマス、歳末シーズン! 忙しさもピークのころでしょう。この時期を乗り越えた後にはぜひ、Webサイトの見直しを行いましょう。「繁忙期の後はWebサイトの大メンテナンス!」を、来年からの商いプランに入れてくださいね!

 前回「Webサイトを構成する要素のなかで、商品を紹介するにあたっていちばん大切なのは本文だ」と言いました。
 毎度のことですが、いろいろなECサイトで買いたい商品を探すたびに、写真とキャッチコピーのみで成り立っているページの多いことに驚きます。欲しい商品についての説明文がないのです。商品は見つかっても、いったいどこにその商品についての説明があるのだろうか……と探しますが、やはりありません。がっくりきて、他のサイトに移ります。
 たいていは大げさだけど意味不明のキャッチコピーと他サイトも使っている写真が載っているだけで、いきなりお買い物カゴのボタン行き。1秒でも早く買わせたいのか、薄っぺらいだけのサイトなのか…。いずれにしても、説明文がない=中身がない情報は信用できません。

 さあ、みなさんのWebサイトを見直してください。すべての商品に個々の説明文は入っていますか。複数の商品を扱っていて大きな区切りやまとまりがある場合は、まとまりごとにリード文も入れましょう。
 文字数や文章の書き方、編集のテクニックについてはこれから随時説明していきますが、本来、文章の上手下手など気にしている場合ではないのです。そう、書くしかない!
 あなたが誠意を持ってお客さんに良質な情報を提供しようとしているならば、その想いは行間からにじみ出てくるものです。

 大手ショッピングモールではどこも、「お客さまの声」をアップするシステムを導入していますね。大多数の人がECサイトで買い物をする時にはこの声を参考にしているといいますが、それはショップ側の商品の説明が希薄だからという一面もあります。
 あなたの商品の情報を、「お客さまの声まかせ」にしていてはいけません。ショップがまず商品知識を得て、売る者の責任としてしかるべき説明を行うべきです。さらに言えば、ショップ側が説明文も書けない商品は、売るべきではありません。きっぱり。

 Webサイトでは対面で話ができない分、お客さんの信用を得るために商品の情報を正確に、誠意をもって提供しなくてはなりません。親切にわかりやすく誠実にオープンに。
 ネットショップで信頼を得る。これはじつは、実店舗での販売よりもはるかに難しいことです。わたしは、ECサイトを作る上での編集作業とは、誠意を伝えるための創意工夫だと定義しています。

あなたのショップの顧客層と同じ読者を持つ「売れている雑誌」を教材にする

 では、お客さんの理解が深まるような情報をWebサイト上で伝えるには、いったい何をどのようにすればいいのでしょうか。本文を書くための文章力、よりよいWebサイトをつくる編集力を磨くにはどうすればいいのでしょうか。
 これまでにも何度か触れましたが、まずは良質なテキストを選んで勉強しましょう。おすすめしたいのは、「読者が同じ層の雑誌、フリーペーパー」です。書店に行けば参考になりそうな雑誌がずらっと並んでいますね。
 第1回第2回で記した<例1 インテリアブランドの通販ショップ>の場合は、『Oggi』『Domani』『with』『BAILA』など、「30歳前後のシングル女性」を読者とする雑誌に注目し、売れている雑誌とその競合誌を数冊選んで購入するといいでしょう。

 文章術、Webサイトのつくりかたを解説する本はたくさん出版されています。でも、全国の書店で毎月10万部以上を売っている雑誌こそが、Webサイト制作の研究材料にしたいテキストなのです。
 ショップオーナーのみなさんなら、いろいろな雑誌を参考にしたことがあるはずです。売れ線は何か、今の流行は何か、次のブームは何が来るのか。研究を重ねてきたことでしょう。では、自ショップのWebサイトの文章力アップ、編集力アップのお手本としてこれらの雑誌を読んだことはありますか? 

 売れている雑誌には、売れている理由があります。どれもプロが研究と努力を重ね、読者にとっての有益な情報とメッセージを送りつづけている商品です。売れている雑誌は、優秀な編集者たちが惜しげもなくその編集テクニック、文章テクニック、撮影テクニック、デザインテクニックを披露してくれている見本なのです!

 次回はこの具体的な教材=雑誌の使い方を解説します。

著者プロフィール

名前 朝日奈 ゆか info_email_01[アットマーク]yumble.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ユンブル
サイト http://www.yumble.com/

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