HD映像の画質を確認!
いずれも実力は普及価格帯のBDレコーダーと同等
いよいよHD映像の画質・音質をチェックしてみよう。まず、この価格帯のプレーヤーとしてはもっとも普及台数が多く、事実上家庭用BDプレーヤーのリファレンスと呼べるPS3の画質・音質から触れることにする。
その画質・音質は良い意味でストレートなもので、ディスクに入っている情報をそのまま出しているという印象になる。精細感は比較的優秀で、やや明るめで色は浅めだが忠実感のある再現となる。そのぶん、細部のディテールや輪郭にノイズが目立つこともあり、ソフトによっては見づらいと感じることもある。
音は定位の良さが感じられる情報量の豊かなもので、サラウンド音声の移動感や後方の音のリアリティなども十分。HiFi調の真面目な音なので、もう少し色気があってもいいと思うが、低音から高音の表現の幅も広く、大きな不満はない。
ノイズが少ないソニー BDP-S350
ソニーのBDP-S350は、ハイビジョン映像としては十分な高精細さだが、他機種と比較するとディテールなどがやや穏やかになる。そのぶん、ノイズが少なく輪郭の再現もなめらかだ。
コントラストをやや強めてメリハリをつけた印象で、暗部が少し黒に引き込まれがちになる。色再現はナチュラルな方向でやや大人しい印象はあるが、派手すぎず忠実感のあるものとなっている。
音は低音がたっぷりとしていて聴き心地がいい。声の質感に厚みがあり、セリフなどの強弱もしっかりと伝わる。サラウンドも包まれるような空間がきちんと再現されている。アクション映画などが気持ちよく楽しめるように、少々パワー感を強めた音のまとめ方だ。
色のりがいいパナソニック DMP-BD60
パナソニックのDMP-BD60は、色のりの良さが印象的。赤・緑・青の原色が濃厚で、リッチな映像に感じる。人の肌の色つやの良さ、生き生きとした再現はなかなか魅力的だ。
そのぶん、輪郭などがやや太書きになるため、精細さやディテールが少々不鮮明になることもある。ソフトによってはやや派手さを感じることもあるが、SFXを多用した最新のアクション映画などとの相性がよく、押し出しの良い元気な画を楽しめる。
音もメリハリ型で、明瞭で溌剌としたサウンドになっている。中~低音域が充実しており、声の力強さ、爆発音の勢いなどがはっきり伝わる。サラウンドも定位がよく前後左右に移動する音を明瞭に再現する方向だ。もう少し細かい音の響きなどが出ると良かった。
ディテールの再現性が優れているパイオニアのBDP-320
精細感のある映像で、ディテールの再現性がもっとも優れていたのがパイオニアのBDP-320。色の再現も忠実感のあるものとなっており、微妙な色の変化がきちんと再現できているため、リアリティがある。惜しいのは、暗部がやや沈み気味でノイズが目立つこともあったこと。大人っぽい表現で映画のフィルムのような味わいのある映像だ。
音は声の質感などが細身で、パワー感は控えめだが、細かな音や空間の響きもしっかりと出すなど情報量はきちんと出ている。他機種と比べるとちょっと真面目な音という印象で、ややクールに感じてしまう。グレードは高いのだが、もう少し中低域に厚みが欲しかった。