乗り換えのポイントは機能の豊富さにあり
変換効率の向上を競っていたころとは異なり、最近では日本語入力ソフト間で変換効率の差があまり感じられない。Mac OS X標準の『ことえり』ではなく、あえてegbridgeを購入する決め手は、変換効率ではなく、その便利な入力支援機能にある。
新機能であるユニバーサルホイールやユニバーサルパレットはもちろん、和英変換やアドレス帳からの変換、辞書トレーナーやヒラギノフォントの持つ2万字のグリフセット(字形)を文字パレットを利用せずに呼び出せるなど、システムに密着した補助機能を豊富に搭載している。
ライバルである『ATOK 2005』と比べると、“口語変換の方言への対応”や“校正支援”などで劣るが、前述の機能のほかに、一切の自動学習を行わない“プライベートモード”“辞書の共有”“文字コードへの変換”といった機能も備えている。
多機能でありながら、文字入力の反応速度は体感でことえりよりも速い。使いたい機能がある場合はもちろん、文字入力の速度にストレスを感じている人も、乗り換えを検討してもいいだろう。
機能 | egbridge Universal | ATOK2005 | ことえり |
---|---|---|---|
グリフセットサポート | ○ | × | × |
前後の文章からの変換候補解析 | ○ | ○ | × |
似た意味の候補表示 | 類義語変換 | 連想変換 | × |
先頭文字から入力を推測 | 専門語辞書と確定履歴から | 省入力データと確定履歴から | 確定履歴からのみ |
口語の方言対応 | × | ○(全国) | ○(関西のみ) |
校正支援機能 | 一部の文字のみ対応 | 誤字、誤入力、誤用 | × |
誤変換を学習 | × | 自動的に学習 | × |
日本語の意味から和英変換 | ○ | ○ | × |
郵便番号変換 | ○ | ○ | × |
テキストの整形機能 | ○ | × | × |
顔文字パレット | ○ | ○ | × |
辞書トレーナー | ○ | ○ | × |
アドレス帳からの変換 | ○ | × | × |
手書き入力 | 文字パレットにあり | ○ | × |
Spotlight検索 | ユニバーサルパレットにあり | ○ | × |
Google検索 | ユニバーサルパレットにあり | × | × |
文字コードへの変換 | ○ | × | × |
キーカスタマイズ | ○ | ○ | ほとんどできない |
使用漢字制限 | ○ | × | × |
確定時の制限 | ○ | ○ | × |
辞書の共有 | ○ | × | × |
プライベートモード | ○ | × | × |
電子辞典 | ○ | 製品によって異なる | × |
【結論】
【○】 “ユニバーサルホイール”によって、これまで使っていなかった機能にアクセスしやすくなった。国語、和英/英和辞典が電子辞書として標準で付属するなど、これ1本で充実した日本語入力環境を構築できる。AppleScriptの実行も可能で、『ことえり』よりもMacらしい日本語入力ソフトと言える。専門語辞書を優先して変換候補に表示できるので、変換時のストレスが減った。いち早いUniversalアプリケーション化され、Intel Macユーザーも日本語入力ソフトの乗り換えが可能。
【×】ユニバーサルホイールで使用するパレットをカスタマイズするようなメニューもほしかった。
【○】 “ユニバーサルホイール”によって、これまで使っていなかった機能にアクセスしやすくなった。国語、和英/英和辞典が電子辞書として標準で付属するなど、これ1本で充実した日本語入力環境を構築できる。AppleScriptの実行も可能で、『ことえり』よりもMacらしい日本語入力ソフトと言える。専門語辞書を優先して変換候補に表示できるので、変換時のストレスが減った。いち早いUniversalアプリケーション化され、Intel Macユーザーも日本語入力ソフトの乗り換えが可能。
【×】ユニバーサルホイールで使用するパレットをカスタマイズするようなメニューもほしかった。