グラフィック関連でもIntel Mac中、iMacがトップに
続けてグラフィック性能を調べる4ソフト/6種類のテストを行なったところ、ほとんどのテストでデル機がトップとなった。Intel Macで善戦したのはiMacで、4種類のテストでデル機に近い(または超える)結果を出している。
3D描画における性能では、独立したグラフィックユニットを搭載しないMac miniが目立って劣っていた。具体的には、3DMARK 05やCINEBENCH 9.5のGPUレンダリングテスト(“OpenGL HW-L”)、DOOM IIIなどが挙げられる。
米フューチャーマーク社の3D描画をテストする『3DMARK 05』を標準状態で実行 |
Mac miniはコマ落ちがひどく、全般的に動作がカクカクする。iMac、MacBook Proもときおり動きが滞ることがあった |
(株)スクウェア・エニックスのMMOロールプレイングゲーム『FINAL FANTASY XI』のオフィシャルベンチマークソフト。メーカーは、“Low”のテストでスコア2000以上を出せばゲームが「デフォルト状態で快適に遊べる」、3000以上なら「とても快適」、4000以上では「とてもとても快適」と基準を示している |
表示解像度の高さが異なる“Low”と“High”のどちらのテストでも、iMacとデル機がほぼ同じ結果になった |
米マクソン・コンピューター社が提供するベンチマークツール『CINEBENCH 9.5』。CPUやGPUで3D画像をレンダリングして、そのパフォーマンスを数値で算出する。左はCPUの“Rendering(x CPU)”、右はGPUの“OpenGL HW-L”のテストを実行しているところ |
CPUのテストではIntel Macのスコアが1.7倍ほどデル機を上回ったが、GPUテストでは逆にデル機が1.3倍ほど引き離している |
米イド・ソフトウェア社が開発する一人称シューティングゲーム『DOOM III』の英語版。タイトル画面で“ctrl”+“alt”+“半角/全角”キーを押してコンソールを開き、“timedemo demo1”と入力して“return”キーを押すとベンチマークが始まる |
ここでもデル機が高いGPU性能を見せた。MacBook Proはソフトがインストールできなかったため未検証(後述) |
Windowsの全ソフトが動くわけではない
今回得られたテスト結果に限って言えば、Windowsを起動した場合のIntel Macの性能は、iMac、MacBook Pro、Mac miniの順に並べられる。Intel MacであえてWindowsの3Dゲームを遊ぶというならiMacが最も快適だろうが、ウェブブラウズ程度ならMac miniでも十分実用レベルだ。
なお、Boot Campはまだ公開ベータのため、現状では完璧にWindowsと同じ動作を求めるのは難しい。Doom IIIのテストでは、MacBook Proにソフトがインストールできずに検証にまで至らなかった。何度かインストールを試みたが、途中でCD-ROMへのアクセスを繰り返す状態から進まなくなってしまう。インストールできたiMac、Mac miniでも、デル機に比べるとインストール速度が遅くて不安定な印象を受けた。
また、アップルにより大半のドライバーが提供されているとはいえ、非対応のものも残っている。編集部で検証した環境では、MacBook ProとMac miniで無線LANが使えなかった(iMacは利用可能)。この場合、インターネット接続には有線LANを使うしかないので、今後のドライバーのアップデートに期待したい。
検証に使ったIntel Macの“デバイスマネージャ”画面。左より、iMac、MacBook Pro、Mac mini |
Boot Campの登場で、以前より快適にIntel Mac上でWindowsを使えるようになったとはいえ、それで手元のWindows用ハード/ソフトがすべて使えるようになると思い込むのはまだ早い。なお、アップルはBoot Campのインストール/利用に関するサポートは行なわないと公言している。これからBoot Campを試すという人は、さまざまなリスクを承知した上で自己責任で実行してほしい。