───本作では19枚目のシングルとなる主題歌「深愛」も歌っていますね。作詞もされていますが、どのようなことを考えて作詞したのでしょうか?
【水樹】 まずシナリオを読んで、由綺のまっすぐな気持ちをできるだけナチュラルな言葉にしたいと思いました。私が今まで書いてきた詞は、一人称が“僕”、二人称を“君”という、わりと中性的に書くスタイルが多かったのですが、今回は由綺の気持ちを表したいということで、“あなた”という言葉にしたいなと。一人称を登場させないのは今まであまりやったことのない手法なんですけどね。“私”や“僕”というのは、歌詞には全く入っていません。なので、読む人、聴く人の主観で捉えてもらって、自分の気持ちに置き換えてというところを今回は重視したくて。曲ができ上がった時に、とにかく溢れる愛と強さを感じて、それをみなさんにも感じて欲しかったから。だから、できるだけ素直な言葉で、みなさんが日常的に使っているような、すぐに情景が浮かんでくるような、そういうナチュラルな表現で歌詞を書くように心がけました。本当にどっぷり恋愛の歌詞を書くのは、私はすごく珍しくって。
───そうなんですか?
【水樹】 そうなんです(笑)。なので、自分自身にもちょっと挑戦だったりして。等身大の恋愛を書けたかなって思ってます。イメージとしては、由綺が普段相手に伝えられない言葉だったり、ぶつけられない気持ちというのを日記に綴るような雰囲気ですね。
───歌詞を読んだときに、本当は彼に語り掛けたいラブレターのような印象を受けました。
【水樹】 そうですね。由綺は何かと我慢してしまう子なので、自分の気持ちを殺してしまうというか、相手の負担になるべくなりたくないと思っているところとか、不器用なところとかあるんですよ。ひと言「会いたい」って言えればこんなすれ違いも解消されるかもしれないのに、「好き」という言葉もなかなか言えなかったりだとか、そういうもどかしさだったり不器用さをここに封じ込められたらいいなって。
───歌う時にもそんな思いを込めて歌っていらっしゃる?
【水樹】 なんか今までのレコーディングとちょっと違いました。
───自分の中でも違いました?
【水樹】 すごく感情的になったというか、今までレコーディングしている時は、詞の世界に陶酔していても、客観的に見ている自分がいて、“ここはこんな風に歌おう”とか冷静に分析しているのが自分の中にあったんですね。でも、今回に関しては、それができなかったというか、しないほうがいいと思ったんですよね。もう、心のままに歌おうって。なんか、計算とか、そういうことができないっていうのが、由綺の不器用さに重なるかと思って。出てきたものが本当の気持ちというか、本能のままに歌うという……。なので、すごく音に身を委ねて、綺麗に歌うということより、情熱的に歌いあげるという方が強い曲ですね。
───「深愛」を聴いていても、すごく切ない部分から感情が高ぶっていくような……そんな印象を受けました。
【水樹】 ありがとうございます。
───CDはお誕生日の発売なんですね。
【水樹】 はい。1月21日(水)です。
───1月10日(土)からは大阪NHKホールを皮切りにツアーもスタートされるとか? 「深愛」もライブで歌いますか?
【水樹】 歌います!! 初お披露目になると思います。
───最後に読者へのメッセージをお願いします。
【水樹】 2009年もライブで幕を開け、そして自分のバースデーにシングルがリリースできるということで、年明けからかなりMAXで走り出します! 今年も、本当にいろいろなことにチャレンジして、新しい水樹奈々を見せられるように頑張っていきたいと思いますので、ぜひみなさんよろしくお願いいたします。
───ありがとうございました!
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