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山谷剛史の「中国IT小話」 ― 第34回

Netbookは中国では受け入れられない

2008年10月20日 16時00分更新

文● 山谷剛史

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 もはや言わずもがなだが、日本では「Netbook」が大人気となっている。出始めたころは「所得の低い途上国の人々でも購入できる、市場の敷居を下げるためのノートパソコン」とされていたが、世界最大の人口を抱える途上国の代表ともいうべき中国で、Netbookはウケているのだろうか?

電脳街で売られているネットブック


Netbookは都市部でしか売れていない


 Netbookは、もちろん中国でも売られてはいるが、爆発的に売れているとは言い難い。多くは電脳街でひっそりと売られており、しかもNetbookを見かけるような電脳街があるのは、所得の低い田舎町地方都市よりも所得の高い地方都市、もっと言えば、北京や上海などの大都市である。

電脳街によっては、ネットブックがPRされているところもあるが……

 今のところ中国のIT系メディアは、特別力を入れてNetbookを紹介しているわけではない。現地価格で10万円か、それ以上はするノートパソコンを扱うように、普通のノートパソコンのひとつとして紹介されている程度だ。流通するNetbookの数が増えたため、まとめて紹介するメディアも増えているが、これもごく最近の傾向である。

 中国人のパソコン利用世代(≒ネット世代)は、10代後半から30代前半が中心だ。若い彼らにとって、ノートパソコンは数ヵ月分の給料に匹敵する。中国では、物価の上昇が日本の比ではないくらい激しいので、もちろん給料も上がっている(必ずしも物価の上昇に追いついていないが)。それでも月収2~3万円程度の収入で、10万円を超すノートを手に入れるのは難しいだろう。

 しかし、中国ではあまりNetbookが選ばれない。その理由は、何だろうか?



高価な製品を買い、海賊版を使う


 中国人はまだまだ所得が低い。だからこそ逆に、中国人は一点豪華主義になる。ノートパソコン(をはじめとした高価なデジタルガジェット)は、できるだけコストをかけて、高いスペックのものにする。そして長い間、愛着を持って使おうとする。

ネットブックの広告では安さよりもポータブルな面とカラーリングをアピールしている

 中国人が好きなデジタルガジェットは、基本的に「ハードを買っちゃえばコストパフォーマンスが非常に良いコンテンツプレーヤーとなる」という条件を満たすものだ。

 パソコンを例に挙げれば、いろいろなゲームが遊べて、DVDやVCDを鑑賞することができる製品。ビジネスにも役立つし、友人とのコミュニケーションにも大活躍、バブルがはじける前は錬金術のツールにもなった。

 パソコン以外で考えれば、一度買ってしまえば海賊版コンテンツがダウンロードし放題のポータブルシリコンプレーヤーや(ファミコンから現世代機に至るまでの)ゲーム機。そして、安い割にいろんなことができてしまうノンブランドケータイこと「山寨機」などがある。

 とにかく中国で売れるデジタルガジェットは、たくさん遊べて(海賊版が絡んでいて)安いことが半ば必須条件となっている。だからこそ、Netbookのような中途半端なスペックでなく、今時のフルスペックのパソコンを中国人消費者は選ぶのだ。

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