染料インクとは思えない黒文字のクオリティー
インクは全色染料系だが、文字品質は極めて良好だ。実際にテキスト文書を普通紙に印刷しても、濃度は濃くにじみも見られない。小さな文字の視認性が高く、文字形状も正確だ。専用紙を使った写真の画質も、色の再現性が鮮やかで階調性も優れている。
画質に加えて、印刷速度も本機のウリ。カラー図版を含む30ページのPDF文書を、OS Xの「プレビュー」から印刷した結果は5分31秒。A4フルサイズの写真を「自動モード」で出力するにはかかった時間は、わずか56秒だった。また印刷エンジン単体の速度は、モノクロ34秒/枚、カラー33枚/分といずれもA4レーザープリンター並みの速さを実現している。
さらにスキャナーの性能も秀逸。6色の光源を採用したCCD方式で、最大96ビットという階調数を実現する。光学解像度は9600dpiだが、補間処理により解像度を最大19200dpiに指定できる。A4サイズの反射原稿だけでなく、35mmポジ/ネガフィルムの透過原稿読の読み取りにも対応。複合機にありがちな性能面での妥協はいっさい感じられず、すべてにおいてハイエンドな仕様はお見事だ。
【Conclusion】
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タッチスクリーン、CD/DVDドライブ、CCDスキャナーと、他の追随を許さない充実した機能を搭載。操作ボタンが少ないのも好印象だ。
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前面給紙方式なので厚紙印刷がしにくく、用紙がカールして紙詰まりしやすい。CD/DVDのレーベル印刷機能を備えていないのも残念。
(MacPeople 2008年1月号より転載)