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A4インクジェットプリンター

レビュー:HP Photosmart C8180

2007年11月29日 22時02分更新

文● 柴田文彦

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染料インクとは思えない黒文字のクオリティー


 インクは全色染料系だが、文字品質は極めて良好だ。実際にテキスト文書を普通紙に印刷しても、濃度は濃くにじみも見られない。小さな文字の視認性が高く、文字形状も正確だ。専用紙を使った写真の画質も、色の再現性が鮮やかで階調性も優れている。

HP Photosmart C8180

コピー用紙上での黒文字印刷は、染料インクとは思えないほど濃度が高く、輪郭もはっきりしている。6ポイント以下の小さな文字も形状が整っており、マイナス要素はほとんどない。写真は原寸スキャンしたデータを400%で拡大したものだ

メーカー純正のA4写真専用紙に印刷。ドット粒径はそれほど小さくないが、彩度が高く階調表現にも優れている。これだけの品質で56秒という印刷速度は驚異的だ。右は、左の写真を原寸スキャンしたデータ(72dpi)を400%で拡大したもの

 画質に加えて、印刷速度も本機のウリ。カラー図版を含む30ページのPDF文書を、OS Xの「プレビュー」から印刷した結果は5分31秒。A4フルサイズの写真を「自動モード」で出力するにはかかった時間は、わずか56秒だった。また印刷エンジン単体の速度は、モノクロ34秒/枚、カラー33枚/分といずれもA4レーザープリンター並みの速さを実現している。

 さらにスキャナーの性能も秀逸。6色の光源を採用したCCD方式で、最大96ビットという階調数を実現する。光学解像度は9600dpiだが、補間処理により解像度を最大19200dpiに指定できる。A4サイズの反射原稿だけでなく、35mmポジ/ネガフィルムの透過原稿読の読み取りにも対応。複合機にありがちな性能面での妥協はいっさい感じられず、すべてにおいてハイエンドな仕様はお見事だ。


【Conclusion】
○  タッチスクリーン、CD/DVDドライブ、CCDスキャナーと、他の追随を許さない充実した機能を搭載。操作ボタンが少ないのも好印象だ。

×  前面給紙方式なので厚紙印刷がしにくく、用紙がカールして紙詰まりしやすい。CD/DVDのレーベル印刷機能を備えていないのも残念。

(MacPeople 2008年1月号より転載)


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