放射線を求めて外に出かけよう!
まずは近所の河原に行ってみた。ここならだだっ広いし、放射線があちこちから降り注いでくるだろう!という思惑だ。
で、さっそく測定してみると。げげーん! カウンタがグルグル回るどころか、家の中と変わらない! 思惑はみごとに玉砕された。
温泉へいこう
だがっ! 近所には、こんな場所がある!
どうだ! ラジウム温泉と言えば放射線が体の治癒能力を高める“ホルミシス効果”があると言われており湯治で有名! ここなら、カウンタがガンガン回るに違いない! 泉質はナトリウム~炭酸水素塩泉。源泉の温度は18℃、pHは7.9でラジウムエマナチオン(ラドン)を含むという。
なんかメッチャ強そう! イイ感じじゃん! ということで、早速ガイガーカウンターを持って浴槽に突入! お湯は茶色く、いかにも鉄分たっぷりでっせ! と言わんばかりだ。また浴槽も電気が通っている電気風呂、足踏み風呂、泡風呂、エステ風呂、寝風呂など色々あったが、メインの一番大きな浴槽に設置。
お肌もスベスベになり、のぼせてきた30分後にデータを見てみると、その数なんと!
13.56cpm!
……って自然界と変わりねーじゃんっ!。これだったら外でひなたぼっこしてた方が、放射線浴びれるんじゃないのか!? というわけで自然界でカウンターがグルグルまわるのは、なかなか見ることができないようだ。ガックシ……。
おお!以外なところに放射線を出しまくるものが!
せっかく作ったガイガーカウンタなのに、「グルグル回るその勇姿を見られない」と落ち込んでいたところ、キャンプ用の照明(ランタン)に放射線を出しまくるパーツがあるということを知った。ランタンというのは、こういうヤツである。
ランタン内部の白い布状のモノが、化学変化を起こして明るく輝くという仕組みだ。この布を“マントル”(ホヤ)というのだが、どうやら炎を白く光らせるために、“トリウム”という放射性元素を混ぜているそうな。なんだか強そうな名前だけに期待値も高い!(ちなみにトリウムの語源は、北欧神話の雷神・トールという) さっそく測定じゃ!
測定結果は13cpm。室内の自然放射が13cpmなので、結果として放射瀬物質は含まれていないと……。安全に配慮して、最近がトリウムを入れてないのか?と思いつつ、別のマントルを測ってみると!
おおっ!見たかったのはコレだよコレ!
測定結果は210cpm。自然放射ぶんの13cpmを差し引けば197cpmの放射線がマントルから出ている! いいぞいいぞ!
そして筆者はひらめいた! 1枚より2枚、2枚より3枚の方が、もっと放射線を出すんじゃなかろうか? ありったけのマントル7枚を持ち出して測定してみると、面白いぐらいにガンガンとカウンターが回り、ピピピピピピ!という検出音が鳴りまくる! 測定値は780cpmだった!
フィルターで仕切って線種を特定してみよう
さてせっかくα線とα/β線の遮断フィルターも作ったので、これも実験してみよう。測定したのは、派手な値を示したガスランタン用マントル7枚だ!
これらの実験結果からマントルから出ている放射線は、α線が380cpm、β線が240cpm、γ線が160cpmとなっているわけだ。なかなか、面白いじゃネーか!
ここで実験した結果は、次の表の通りだ。ただしいずれも自然放射を含んだ値となっている。
測定対象 | cpm |
---|---|
ガソリン用マントル | 13cpm |
ガス用マントル1枚 | 210cpm |
ガス用マントル7枚(α+β+γ線) | 780cpm |
ガス用マントル7枚(β+γ線) | 400cpm |
ガス用マントル7枚(γ線のみ) | 160cpm |
マントルを触った指 | 16cpm |
(次ページに続く)