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Google vs. Yahoo!はいかに?

視線移動を追えばサイトの広告効果がまる見え!

2007年08月25日 23時00分更新

文● 中西祥智(編集部) 写真●曽根田 元

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月刊アスキー 2007年9月号掲載記事

視線移動調査

被験者の目線を、画面上に青いマークとして表示できる。注視している時間が長いほど、青い円が大きくなる(実際の調査では、被験者にこの画面は見せていない)。

「Web Eye」本体

「Web Eye」本体。5カ所から発した赤外線の、網膜からの反射を検知して目線の動きを測定する。

ヤフーとグーグル、それぞれの検索結果を、ユーザーはいったいどのように見ているのか?

市場調査会社ジャパンマーケットインテリジェンス(JMI)は、視線を測定できるシステム「Web Eye」とヒアリング調査を組み合わせて、利用者がウェブサイトやテレビ画面の表示について、何をどのように見ているのかを調査している。そしてJMIは今回、ヤフーとグーグルの検索画面での視線移動について調査した。

結果は下の画面のとおりで、どちらのサイトでも、ユーザーの視線は検索結果上部の広告を通ってはいるが、必ずしもクリックには結びついていない。またシンプルなページ構成が好感を得ているのか、グーグルのほうが、ヤフーより見やすさ、使いやすさについての満足度が高かった。

グーグルのユーザーは、検索結果の見出しをヤフーのユーザーよりも注視する傾向にあった。一方で、ヤフーのユーザーは「ランキング」や「トップ10」といった言葉によく反応したという。それらからも、一般に言われる「ヤフーは初心者向けでグーグルは通好み」という性格が垣間見える。

JMIは「どちらもターゲット層にうまく合わせたサイトになっている。だが、市場が飽和している現在、今後さらにシェアを伸ばすには、(相手側のユーザーを獲得するために)どちらも変わらなければならない」と分析する。果たして先に動くのはどちらか。

Yahoo!検索は「I型」か「逆L型」

「関連検索ワード」が注目度高

左の「海外旅行」では、ページ上部にも広告が表示される。視線は、各見出しの先 頭付近を上から下まで、「I型」に移動。上部の広告には視線が行くが、右側の広告はほぼ見られていない。右の「液晶テレビ」では最上部に「関連検索ワード」が表示され、この付近をユーザーが注視するために視線は「逆L型」に移動する。

Googleは「L型」か「E型」

検索結果の見出しが注視される

ヤフーとは逆で、左の「液晶テレビ」の場合に上部に広告を表示。この広告の見出 しは短いために視線は横には広がらないが、下に行くに従って見出しを注視するようになり、視線が右にも移動する「L型」となる。右の「海外旅行」の場合は、利用者は各々の見出しを順に注視するために、「E型」の視線移動となった。

※調査はJMIとアイレップSEM総合研究所が共同で実施。合計76名(男女比は半々、ヤフーとグーグルそれぞれの常用者も38名ずつ)の被験者を対象に、視線の移動の調査と聞き取り調査を行った。上に掲載した画面は、総合的な調査結果に近い動きをした被験者1名の視線移動を、それぞれ抽出したもので、青い線が視線の移動を、青い円の大きさが注視した時間を表す。

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