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革命児ソースネクスト、ソフトウェア市場を斬る

2007年07月13日 23時00分更新

文● 小浜雅胤(編集部)

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 “1980円”シリーズや更新料不要の“ZERO”シリーズなどで、個人向けソフトウェア市場に価格破壊をもたらしたソースネクスト。BCNの調査でも、マイクロソフト(株)などの強豪を抑え、パッケージソフトの販売本数で4年連続の首位をキープしている。

パッケージソフトの販売本数別シェアー

パッケージソフトの販売本数別シェアー

 成長を続ける“業界の革命児”は、現在のソフトウェア業界をどう捉えているのだろうか? 同社代表取締役社長の松田憲幸氏にお話をうかがった。



パソコンソフトの市場は特殊だった


松田憲幸氏

松田憲幸氏

 取材の中で松田氏が力説していたのは、「現在のパソコンソフトの市場規模は、ほかのパッケージ型のコンテンツと比べてはるかに小さい」ということだ。音楽CDの市場は約4000億円、映画DVDもこの10年で約4000億円の規模に成長した。「しかしパソコンソフトの市場だけはいまだに約1000億円の規模にとどまっている」と松田氏は話す。

 原因のひとつは割高感だ。これは単にパッケージソフトの販売単価が高いというだけではない。パソコンソフトに付き物の“バージョンアップ代”が割高感を助長させているとも言える。

 そもそも、1本のソフトを使い続けるために更新料を毎年払い続けたり、新バージョンが出るたびに、ユーザーに買い替えを促すというスタイルが、パソコンソフトだけに許されている特殊な状態なのではないか?

「コンテンツというものは、普通は買ったらずっと使えるのが当たり前なんです。それはCDでも、DVDでも、ゲームでも同じです。(更新料ゼロ円をアピールするために)『マトリックス ZERO』とか、『宇多田ヒカル ZERO』とか誇らしげに言っているメーカーはいないでしょう?」

 パソコンソフトの市場でバージョンアップを前提にしたビジネスが成り立ってきたのは、それなりの理由がある。かつてはOSが変わるから互換性を保つために買い替えるのはやむをえないという雰囲気があった。購買欲が刺激されるだけの新機能追加もあった。しかし、今はユーザーがあまり意味を見出せないような、メーカー主導のバージョンアップが多く、以前のような満足度を提供できていない。これがソフト市場の縮小につながっていると松田氏は述べる。

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