ドイツ・ハノーバーで開催中のCeBIT 2007。英ボーダフォン(Vodafone)社のドイツ法人Vodafone D2社が提供するサービスを通じて、ヨーロッパの携帯電話サービスの現状を見ていこう。
音声メッセージをプッシュ配信
欧州では、携帯電話をかけた相手が電話に出られなかった場合、音声メッセージを携帯電話会社のサーバーに録音する“ボイスメッセージサービス”(伝言ダイヤル)が広く使われている。従来のサービスでは、受信側に対しては、ボイスメッセージが残されているという情報のみが伝えられるので、携帯電話会社の指定する電話番号にかけて、メッセージの内容を確認する必要があった。
ボーダフォンが、今回展示していたのは、この音声メッセージを自動的に音声ファイル化し、“Multi Media Message”(MMS)として送信するサービスだ。つまり、プッシュ型の電子メールに音声ファイルを添付して、配信するサービスである。いちいち携帯電話会社が指定する電話番号にかけなくても、メールを開くだけでメッセージを聞くことができる。欧州でのサービス開始は、今年の夏を予定している。
3G回線による7.2Mbpsの電送実験
3G回線を使用して、下り最大7.2Mbpsの転送速度を実現する映像配信実験もデモンストレーションされていた。ブース内に設置されたカメラで映像を撮影し、商用の3G回線を介して、パソコン上に表示させるというものだ。
モバイルテレビのチャンネル数も拡大中
ボーダフォンが、欧州市場で2006年から力を入れている分野に、モバイルテレビがある。欧州のデジタルTV規格“DVB-H”に対応した携帯電話機が多数展示されていた。
Frickerの画像をケータイに転送するサービス
Web 2.0サービスとの連携も、最近のボーダフォンが力を入れている分野だ。展示されていたサービスのひとつに、パソコン上で動画共有サービス“Frickr”の画像を表示し、そこから好きなものを携帯電話機に転送できるサービスがあった。これを利用するには、パソコンのブラウザーにボーダフォンが開発した専用ソフト『ComBar』をインストールする必要がある。
GPS対応機種も登場
GPSを利用してカーナビとして利用できる端末も、ボーダフォンから続々と発売される予定である。
ケータイ向け音楽配信もすでに100万曲が聞ける
ボーダフォンは、さまざまな音楽配信サービスと提携しており、現在「合法的に利用できる楽曲数は100万曲を超えている」という。会場では、英ソニー・エリクソン社のウォークマンケータイを利用したDJショーが繰り広げられていた。