ブランドも「HP StorageWorks」から「HP Storage」へ変更
従来より30%も安く!戦略的ミッドレンジ「P6000 EVA」投入
2011年06月10日 06時00分更新
6月9日、日本ヒューレット・パッカード(以下、HP)はストレージ製品のブランドを「HP StorageWorks」から「HP Storage」に刷新し、その第一弾としてミッドレンジのディスクアレイ装置「P6000 EVAシリーズ」を発表した。
Store 360の開発計画も明らかに
発表会の冒頭、HPストレージ事業本部 事業本部長の飯尾光圀氏が新ブランドである「HP Storage」について説明した。
同社が推進するインフラ戦略である「Converged Infrastructure」の実現のため、ストレージ事業部では近年製品開発と企業買収を進め、2010年にはポートフォリオが完成。2011年は、よりシンプルに、統合化、最適化を推進していくという戦略だという。そして、製品群の拡充とともに「HP StorageWorks」と冠されていたブランドも、「HP Storage」に変更した。
ブランド変更にともない、これまで一部で重複していた製品のポートフォリオも、「アプリケーション指向」と「サービス指向」の2軸で整備された。アプリケーション指向はレガシー資産や業務の最適化を目指した既存のストレージを指し、エントリーの「P2000」、今回の発表されたミッドレンジの「P6000 EVA」、ハイエンドの「P9000」、重複排除製品の「StoreOnce」などが該当する。一方のサービス指向では、仮想化やクラウドを前提にスケールアウトを推進する製品ラインナップを指し、iSCSI専用機の「P4000」、ハイエンドNASの「X9000」、クラウド向けユーティリティストレージ「3PAR」などを含む。
もう1つiBRIX、Lefthand、StoreOnceなど3つのソフトウェアを統合したスケールアウト向けストレージ向けのOS「Store 360」の開発計画も明らかにした。Store 360では、IAサーバーベースのストレージソフトウェアで、マルチプロトコル対応、共通のファイルシステム、独立したスケールアウトの機能を持つという。「今まではバックアップやスケールアウトなど個別に提案してきたのが実情だが、将来的には共通ハードウェア上でソフトウェアによって多彩な機能を提供していく」(飯尾氏)とのことで、高額な投資をかけて開発が進められている。
SMB市場に狙うミッドレンジ「P6000 EVA」
新製品の「HP P6000 Enterprise Virtual Array(以下、P6000 EVAファミリ)」は、従来EVAシリーズと呼ばれていたミッドレンジのSANストレージ。製品について説明を行なったストレージ製品本部 製品マーケティング部 部長の宮坂美樹氏は「完全にハードウェアをリフレッシュした。今までよりもローエンドの市場を開拓していきたい」(宮坂氏)で、エントリーのP2000(旧:MSAシリーズ)の上位機種に位置づけるという。
既存のストレージ活用や業務統合を満たす製品で、前述の区切りではアプリケーション指向に位置する。ストレージ管理者の不足やIT予算の削減、増え続けるサーバー、ストレージの管理といった課題を解決するという。
P6000 EVAでは仮想化対応のディスクアレイ装置で、EVA4400の後継になる「P6300 EVA」、EVA6400の後継となる「P6500 EVA」が新機種として投入された。ハードウェアが完全に刷新され、新たに2.5インチのHDD、6GbpsのSASインターフェイスをサポート。機能面ではシンプロビジョニングやダイナミックLUNという階層化管理、32TBを超えるサイズのスナップショットなどを搭載する。
SMB市場も視野に入れているということで、従来のEVA4400に比べて最小構成価格で約30%を下げたのも特徴。「グローバルでも10万台規模で売れている製品なので、規模の経済が働く」(宮坂氏)とのことで、高いコストパフォーマンスを売りにするという。国内での販売パートナーも倍増させ、エントリーにとどまらない商流を拡大していく予定。
また、使いやすさも大きな売り。管理ソフトの「P6000 Command View」は第三者機関で使いやすさ(設定の時間やステップの少なさ)が証明されているという。「まことに使いやすい。サーバー管理者が片手間で設定するということも可能になる」(宮坂氏)とのことで、管理の手間を大幅に軽減する。事業継続を意識したアプリケーション連携やバックアップ、リカバリ製品なども充実させるほか、ホワイトペーパーも数多く用意するという。
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