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10年選手ならではの安定度と使いやすさで累計10万台

自前運用の強い味方!鉄板なストレージ「P6000 EVA」

2011年09月07日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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幅広いポートフォリオを擁するヒューレット・パッカード(以下、HP)のストレージ製品の中で、HP P6000 EVAはとにかく簡単に仮想化を導入したいユーザーに最適なミッドレンジストレージだ。製品の概要について、日本HPのストレージ製品本部 製品マーケティング部の加藤茂樹氏に聞く。

 

ユーザーのニーズに10年間応えてきた老舗に新モデル

新モデルの「P6300 EVA」

 HPはこの数年でIBRIX、LeftHand、3PARなど数多くのベンダーを買収し、ストレージ製品の拡充を一気に進めてきた。そして、既存製品と買収した資産を「HP Storage」というブランドに統合し、幅広いポートフォリオをアプリケーション指向、サービス指向という大きく2つに分類した。今回紹介するP6000 EVAはこのうちアプリケーション統合や業務の最適化、既存資産の活用をねらったアプリケーション指向のSAN対応ディスクアレイ装置である。

 

 外様が増えてきたHPのストレージ製品の中で、P6000 EVAはHP生え抜きのストレージとして10年にわたって成長を続けてきた。累積出荷台数も10万台を突破し、まさに同社の主力汎用ストレージとして高い人気を誇っている。仮想化やシンプロビジョニング、筐体内・外のコピー、スナップショットなどの一通りの機能を持っており、機能面でも死角はない。「2000年にSANが登場し、その後ITのコンソリデーションの波が来て、最近では仮想化の高いニーズがあります。P6000 EVAのシリーズは、こうした要望にずっと応えてきたミッドレンジのストレージです」(加藤氏)と説明する。

 

日本HPのストレージ製品本部 製品マーケティング部の加藤茂樹氏

 2011年6月にはフルモデルチェンジが敢行され、既存のEVA8400に加え、新製品としてP6300、P6500が発表された。ハードウェアの底上げにより、パフォーマンスや拡張性が大幅に強化されたほか、8Gbps FCや1Gbps iSCSI、10Gbps iSCSI/FCoEのコントローラを追加。ハードディスクも新たに2.5インチHDDをサポートし、高い集積密度や電力削減を実現した。SANストレージ製品としてはエントリ向けの共有ストレージ「P2000 MSA」や旧称LeftHandでおなじみのiSCSIストレージ「P4000 G2」の上位製品として、企業の幅広いニーズに応える。

 

HPのSANストレージラインナップ

常時すべてのディスクを使う効率性と使いやすさ

 現在、HPのストレージは仮想化、自動化、拡張という3つのキーテクノロジーを軸に製品開発を進めているが、このうちP6000 EVAはEnterprise Virutual Arrayという名前の通り、特に独自の仮想化技術にフォーカスしてきたという。

 

 P6000 EVAの仮想化技術では、まず複数の物理ディスクを束ねて、仮想のストレージプールを作り、さらにそのスペア領域を全ディスクに分散して保持するというものだ。スペアディスクを別途用意しておく必要はないわけだ。

 

1GB単位でRAIDを混在できるP6000 EVAの仮想化

 また、この仮想ストレージプール上で、1GB単位で異なる仮想RAID(vRAID)グループを複数作ることができる。RAIDレベルは、RAID0/1/5/6のなかから選択できるので、用途に合わせて使い分ければよい。「特定のディスクグループに書き込みが集中する他社の製品と異なり、P6000 EVAのvRAIDではI/Oが複数のディスクに分散されるので、高いパフォーマンスと利用効率が両立できます」(加藤氏)といったメリットがある。

 

 こうした仮想化技術のおかげで、P6000 EVAでは容量の拡張やRAIDの再構築もオンラインで行なえる。ディスクを追加すれば、コントローラーがデータを自動配置してくれる。さらに割り当てられる容量をシンプロビジョニング化できるので、物理容量を確保しないでも大きな論理容量(LUN)が提供することが可能だ。

 

 そしてP6000 EVAのもう1つの特徴は、専門知識不要なGUIでの簡単操作だ。Command Viewというツールを使うことで、たとえば仮想ディスクの追加はディスクグループの選択、必要容量の入力、vRAIDタイプの選択を行ない、仮想ディスクを押すだけ。ディスクの構成やパフォーマンスの最適化などはすべてコントローラーが自動的に行なう。

 

仮装ディスクのツールはメニューを選ぶだけ

ディスクエンクロージャのI/Oモジュールを使う

 「第三者機関による調査でも、他社に比べて少ない時間・少ないステップでストレージ管理や運用が可能と評価していただいております。サーバーの管理者がそのままストレージの面倒を見られます」(加藤氏)という。実際、導入された多くの会社では、ボリューム作成や容量増設をユーザー自身で行なっているという。

 

 加藤氏は、「時代の流れでハイエンドの機能の多くが、ミッドレンジに落ちてきています。P6000 EVAはコスト面での競争力も高いので、信頼性やパフォーマンスでエントリのストレージに不満を抱えている方に乗り換えてもらっています」と話す。従来より30%安くという戦略的なプライシング施策も導入されており、コストをかけたくない中堅・中小企業のユーザーにとってみれば、まさに「鉄板」の選択肢といえるだろう。

 

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