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アスキー的パソコン大解剖 第23回

筆者オススメの高リフレッシュレートゲーミング液晶はこれだ

パソコン液晶ディスプレイおすすめは? ゲーム向き144Hz駆動が3万円台から

2018年02月03日 17時00分更新

文● 藤田忠 編集●ASCII

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高値の花と思っていた144Hz駆動ゲーミング液晶が3万円以下!? 急げ、今が買い時だ!

カジュアルゲーマー注目!
待望3万円アンダーの144Hz駆動ゲーミング液晶登場

 ゲームの世界観をアップさせるリアルで美麗な描画と滑らかな表示に不可欠なのが、十分な性能を備えているCPUとグラフィックボード、そして何と言ってもプレイ環境。キーボード、マウスといった操作デバイスからヘッドセット、椅子と多岐に渡るが、とくに注目したいのが、より滑らかヌルヌルな映像を楽しめて、しかもシューティングやアクションでの勝利にもつながるゲーミング液晶だ。

 そのなかで最も注目すべきは、一般的なPC向け液晶ディスプレーの2倍以上の画面書き換えをサポートする高リフレッシュレート対応製品。昨今のトレンドである4K/HDR10同様、続々と新製品が市場に投入されている。

一般的な製品はリフレッシュレート60Hz(=1秒間に60回画面を書き換える)だが、昨今は144Hzや240Hzといった高リフレッシュレートをサポートするゲーミング液晶が登場している

 高リフレッシュレートのゲームへの影響は大きく、リフレッシュレートが60Hzと144Hzでは情報量は2.4倍も異なる。1秒間により細かく画面を書き換えることで、動きのあるシーンが、より滑らかに描画され、キャラクターなどの視認性も高まる。

 結果、FPSやTPSなどで激しく視点移動した際も映像のブレが少なく、対戦相手のわずかな動きを捉えることができるため、ゲーム展開を有利に運べる。FPS系のみならず、MMORPGなども含めてPCゲームをよくプレイするなら、ぜひとも導入を検討したいデバイスと言えるだろう。

 もちろん、この恩恵を受けるにはフレームレート(fps=GPUが1秒間に描画する映像フレーム数)をリフレッシュレートと同じか上回る必要があるため、ハイエンドグラフィックボードが必須というデメリットはあるものの、2017年には240Hz駆動をサポートする製品の登場などラインアップが増えるとともに、昨今は価格の値下がりも見られ、144Hz駆動をサポートした3万円アンダーの製品も登場している。

 つまり、選択肢が広がった上に価格もこなれてきたというわけだ。これは買い時と言うほかない。

 今回は、筆者オススメの高リフレッシュレート対応液晶ディスプレーを一気に紹介するとともに、一緒に揃えておきたいグラフィックボードもチョイス&検証してみた。

高リフレッシュレート液晶ディスプレーのメリット・デメリット

<メリット>
・応答速度が高速
・ヌルヌル描画
・情報量が増加

<デメリット>
・高リフレッシュレートほど高価
・ハイエンドGPU搭載のグラフィックボードが必要

60Hzと144Hz駆動時のイメージ。60Hzでは激しい動きのシーンで映像がブレてしまうが、144Hzではブレ少なく描画も滑らか

144Hz駆動に対応するアイ・オー・データ機器「KH2450V-ZX」。PCショップ向けの限定モデルで、24型フルHDで3万円アンダーを実現している

PCパーツやゲーミングノートPCでおなじみのMSIも新たにゲーミング液晶市場に参入。144Hzをサポートする湾曲パネルを採用した「Optix MAG24C」などを投入している

通常時もマウスカーソルがヌルヌル動くなどのメリットがある高リフレッシュレート駆動。144Hz対応製品では、100Hzや120Hzにも設定できる

今買うなら押さえておきたい機能はこれ!

 高リフレッシュレートをサポートするゲーミング液晶には、リフレッシュレート以外にも多くの付加価値がある。製品を選ぶ際に重要な要素となるスペックをマスターしておこう。

 まず、高リフレッシュレートともにゲーミングで高い効果を発揮する技術が、ティアリングの発生を回避する「NVIDIA G-SYNC」と「AMD FreeSync(Adaptive Sync)」。いずれも自社製GPUと対応液晶が必須。専用回路を必要とする「NVIDIA G-SYNC」は高価で対応製品は少なめだが、専用回路を一切必要としない「AMD FreeSync(Adaptive Sync)」は安価かつ対応製品が多い。

・NVIDIA G-SYNC
 NVIDIAのディスプレー同期技術。液晶ディスプレーをGPU側で制御することで、ちらつきやティアリングを抑える。ハイエンド液晶ディスプレーに採用されている。

・AMD FreeSync(Adaptive Sync)
 AMDのディスプレー同期技術で、G-SYNCと同じくティアリングや遅延の発生を抑える。VESA規格として採用されているため、対応する液晶ディスプレーが多い。

専用モジュールが必要になるNVIDIA G-SYNC。対応する液晶ディスプレーは高価かつ種類もそれほど多くない

 次に、ゲーミング向けに限らず、液晶選びの際に覚えておきたい要素を集めてみた。

・TNパネル
 応答速度が高速で、比較的安価なのが特徴。多くのゲーミング液晶で採用されている。リフレッシュレート240Hz駆動の製品も登場している。

・IPSパネル
 応答速度は価格とトレードオフになるが、色の再現や精度が高く、視野角が広い。動画視聴やクリエイティブなど、幅広い用途にオススメ。

・VAパネル
 色再現に優れ、黒が引き締まった表現になるのが特徴。応答速度は、IPSパネルと同じく遅めになるが、最大1ms(MPRT)の製品もある。

・湾曲パネル
 駆動方式とは異なるが、パネルが緩やかに湾曲しているタイプ。曲面と表記される場合も。視界を覆うようなかたちになるため、高い没入感が得られるのが特徴になっている。アスペクト比21:9のウルトラワイド液晶が主流だが、16:9の製品も増加中だ。

パネルが緩やかに湾曲している。視界を覆うことで没入感が得られやすくなっている

横が広々な21:9のウルトラワイド液晶。通常の16:9では見えない部分が見える。臨場感がアップするだけでなく、競技性のあるゲームでは従来より有利になることも

ゲーミング液晶に4K、高リフレッシュレート、HDRの波が来る!?

 進歩が著しいゲーミング液晶だが、高リフレッシュレート+ウルトラワイド対応に続いて、4K解像度・HDR10・高リフレッシュレートの3種をサポートする製品もチラチラと見えてきており、アメリカのラスベガスで開催された家電見本市「CES 2018」では、ASUSがHDR10や144Hz駆動、G-SYNCをサポートする27型4K液晶ディスプレー「ROG SWIFT PG27UQ」を発表している。

 4K解像度で高フレームレートを維持するには、敷居は非常に高くなるが、2018年後半から2019年にかけて、ゲーミング液晶はさらに進化することは間違いないだろう。

全部入り的な4Kゲーミング液晶のASUS「ROG SWIFT PG27UQ」。予想だが、ASUS製かつスペック的に価格は20万円台を超えるだろう……

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