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アスキー的パソコン大解剖 第9回

仮想通貨を自分で“採掘”して儲けたい! 1ヵ月間マイニングレポート (1/4)

2017年09月30日 17時00分更新

文● 宮崎真一、編集部 編集●ジサトラショータ

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 PCに搭載されたGPU(グラフィックスボード)を活用する方法といえば、ゲームやクリエイティブといった作業が代表的だが、最近注目を集めているのが暗号通貨の採掘、いわゆる『マイニング』だ。マイニング特需でグラフィックスボードの売れ行きが好調となり、一時期は供給不足で入手も難しいモデルが出るなど、自作PC界でも大きなトピックとなったのは記憶に新しい。しかし、マイニングという言葉自体は聞いたことがあるものの、肝心の“なぜマイニングで仮想通貨が手に入るのか”といった理由はよく知らなかったり、「興味はあるけど本当に儲かるの?」と思っていたりする人も多いだろう。

 この特集では、マイニングの仕組みからおすすめGPUのベンチマーク、さらには編集部員による1ヵ月間のモナコイン採掘チャレンジや、最新GPUである『RADEON RX VEGA』のマイニング性能の検証などなど、マイニングにまつわる最新トピックを検証していこう。

マイニングとは何か?

暗号通貨は対応店舗であればそのままお店で使用できる。たとえば秋葉原の有名パーツショップ『パソコンショップアーク』では『ビットコイン』と『モナコイン』を使った決済が可能だ。

 マイニングを語るうえで必ず説明が必要となるのが、ビットコインに代表される『暗号通貨』の存在だ。暗号通貨とは、ピアツーピア、いわゆるクライアント同士で構築されたネットワーク網で成り立っている仮想通貨のことを指す。暗号通貨には世界最大規模で流通する『ビットコイン』のほか、『イーサリアム』や『リップル』、『ライトコイン』、国産の『モナコイン』といったアルトコイン(ビットコイン以外の暗号通貨の総称)があり、現在は計数百を超える種類が存在する。対応店舗であれば仮想通貨を使った決済が可能なほか、取引所を通じて日本円や米ドルのような実際の通貨に換金することも可能だ。

 暗号通貨の最大の特徴は、取引台帳(ブロックチェーン)がネットワーク上に分散して保存されており、そのブロックチェーンに過去すべての取引情報が必ず記録されていること。一つのブロックの内容は直前のブロックのハッシュ値と依存関係にあるため、遡及してブロックを改竄することは不可能とされており、この仕組みにより通貨としての信頼性を担保している。ただし、ブロックチェーンへの取引データの記録や更新作業には膨大な処理能力が必要となるため、基本的にそうした作業はネットワーク上の個々のPCに負荷を分散する形になる。処理する取引情報は複数のブロックに分かれており、ある単位の処理を終了した個人または集団には報酬が支払われる。その記録作業を進めていく様子を、炭鉱などの採掘になぞらえて『マイニング』と呼んでいるわけだ。手っ取り早く言ってしまえば、自分のPCの計算能力を暗号通貨の取引データ処理に提供する代わりに、対価として暗号通貨を得るという行為がマイニングである。

マイニングが注目を集める理由

国内最大手の取引所『bitFlyer』のビットコインチャート。今年5月ごろから価値が急騰している

 ここ数年、特に今年に入ってからはマイニングが脚光を浴びているが、それにはしっかりとした原因がある。最大の理由は、いまや世界最大規模の仮想通貨であるビットコインの高騰だ。ビットコインは2017年1月1日時点で1BTC=12万円弱だったが、9月2日にはなんと55万円弱まで高騰。その後、マイナス要因もあり価格は下がったものの、原稿執筆時の9月18日時点では1BTC=43万円ほどになっている。

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