前回、前々回に引き続き、Next Horizon Gamingイベントで公開された話を解説しよう。今回はCPUとGPU、両方で書ききれなかった細かな話を紹介していく。
第3世代のRyzenの
ラインナップ
まずはCPU編。前回はラインナップすら示す余地がなかったわけだが、第3世代のRyzenとしては下の画像の5製品がまず7月7日に発売され、これに加えて9月にRyzen 9 3950Xが追加で発売されることになる。
実はこれに加えて、6月11日にRyzen Gも2製品追加されている。どちらも基本的な構成は従来のRyzen 3 2200G/Ryzen 5 2400Gと同じであるが、CPUコアとGPUコアの両方の動作周波数が向上しているものだ。
特にRyzen 5 3400GはTDPが65Wのままでありながら、95W対応のリテールクーラーWraith Spireを付属させたり、TIMの材質を改善したりといった、オーバークロック動作を前提とした特徴が目立つ製品になっている。
それでありながら価格は149ドルや99ドルなどに抑えられており、これはこれで悪くない選択である。
インテルが14nmの歩留まりが悪すぎて、GPUなしモデルが急増している(この背景は連載508回で説明した)関係で、結果的にAMD/インテル両社ともにハイエンドモデルはGPU非統合、メインストリームの下の方~バリュー向けはGPU搭載というラインナップになっており、これもあって7nm世代のAPUが出るまでのつなぎとして投入された形だが、これはこれで悪くないと筆者は考える。

この連載の記事
-
第819回
PC
次期Core UltraシリーズのPanther Lakeは今年後半に量産開始 インテル CPUロードマップ -
第818回
PC
DDRを併用し低価格・低消費電力を実現したAIプロセッサー「SN40L」 ISSCC 2025詳報 -
第817回
PC
実現困難と思われていたUCIe互換のチップレット間インターコネクトをTSMCとAMDが共同で発表 ISSCC 2025詳報 -
第816回
PC
シリコンインターポーザーを使わない限界の信号速度にチャレンジしたIBMのTelum II ISSCC 2025詳報 -
第815回
デジタル
3次キャッシュがスリムになっていたZen 5、ISSCCで公開された詳報 AMD CPUロードマップ -
第814回
PC
インテルがチップレット接続の標準化を画策、小さなチップレットを多数つなげて性能向上を目指す インテル CPUロードマップ -
第813回
PC
Granite Rapid-DことXeon 6 SoCを12製品発表、HCCとXCCの2種類が存在する インテル CPUロードマップ -
第812回
PC
2倍の帯域をほぼ同等の電力で実現するTSMCのHPC向け次世代SoIC IEDM 2024レポート -
第811回
PC
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ -
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート - この連載の一覧へ