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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第25回

FGOトップ/アズレン急上昇/コナンも人気/次回はVTuber?

コミックマーケット94の二次創作人気調査&pixivデータで次回予想

2018年08月02日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/アスキー編集部

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この連載では、独自に収集したデータを使って、みんな知ってるようで知らないニコニコ動画やpixivの現在を紹介していきます。連載一覧→第2期第1期

コミックマーケット94の二次創作人気をチェック!

コミックマーケット94は 8月10日から12日の3日間開催
約3万4800サークルが参加

 今年も2018年8月10日(金)から12日(日)にかけて、東京お台場の東京ビッグサイトで同人誌即売会「コミックマーケット94」が開催されます。

 まだ会場工事により規模が流動的ですが、今回は以前並みの約3万4800サークルが参加。2年半ぶりに「いつものコミケ」の規模のコミックマーケットとなりました。

 第2期第22回では「コミックマーケット93」に関しての記事を書きました。今回はコミックマーケット94のサークル数の動向と、人気作品のpixivでの動きをみていきます。

 これまでの回でも説明した通り、コミックマーケットではジャンルコードという仕組みがあり、これを目安にどういった分野のサークルがどれくらい参加しているかを調べることができます。今回の参加サークルの比率はグラフ1の通り。

 今回も大きくは変わりませんが、創作と同人ソフトがやや増加、代わってマンガFCと芸能系が減っています。

公開されているコミックマーケットWebカタログ・DVDカタログのジャンルコード情報を参考に、いくつかに区分けしたコミックマーケット94のサークル数の比率

 この連載ではコミケの6~7割を占める二次創作サークルについて注目し、作品ごとのサークル数をカウントしています。数え方については以前の記事で細かく説明しましたのでそちらをご確認ください(第1期第39回の囲みコラム「サークルの数え方」参照)。

 今回のコミックマーケット94のサークル参加申し込みは、郵送が年末から2月7日、オンラインが1月25日から2月15日まででした。このため今回のデータは“2018年1~2月にコミックマーケット94に申し込んだ同人サークルがどのような作品に関する同人作品の頒布を予定していたか”が反映された数字となります。

 現在のものではありませんし、あくまでコミックマーケット内での参加の規模を見ているものです。コミックマーケットは比較的参加者の年代が高いこと、関東圏の参加者の割合が多いこと、海外のサークルは参加しにくいことなどの偏りがあり、同人サークル全体の傾向を示すものでもありません。

 上記のような事情もありますが、コミックマーケットは最大の同人誌即売会であることから、一定の参考になると評価してご紹介しています。これらをふまえてご覧ください。

予想8割的中! Fate・ガルパンが拡大、アズレン500以上

 上記の方法で調べたコミックマーケット94で多かった作品はグラフ2の通りです。参考にコミックマーケット93での数も載せています。なお「あんさんぶるスターズ!」「宝石の国」は今回上位ではありませんが前回予想したため参考に載せています。

 なお今回はコミケ全体のサークル数が増加しています。本記事では全体からの比率で比較していますので、参加サークル数としては増えていても比率で減少している場合がありますのでご注意ください。

 トップは今回も「Fateシリーズ」。以下「艦隊これくしょん」「アイドルマスター」「東方Project」「刀剣乱舞」などのサークルが多いです。また初登場の「アズールレーン」が前回の予想通り500台のサークル数で上位に。次回は単独ジャンルコードとなる見込みです。

「ハイキュー!!」のサークル数に誤りがありました。【誤:250→正:308】

コミックマーケット94のWeb・冊子・DVD-ROMの各カタログを参考に、各作品の二次創作サークルの数を概算したもの。調査方法は第1期第39回の囲みコラム参照。正確な数字は求めるのが困難のため参考程度に。グラフが青いのは男性サークル寄り、赤いのは女性サークル寄りの作品。中間程度のタイトルは紫とした。また参考に前回のサークル数を灰色で示している【「ハイキュー!!」のサークル数は正しくは308でした】

 前回の予想と結果をまとめると下記の通り。全体としては20作品中16作品的中。8割的中ですがいずれも増加と減少を逆に予想していますので今回は少し外れ気味です。夏コミは予想から申し込みまでの期間が長いので難しいです。

 前回はサークル数も予想しましたが、こちらはさらに4作品を外して20作品中12作品的中。広めにとってこうですので、サークル数まで推定するのはまだ課題です。

 予想を超える増加だったのは「ガールズ&パンツァー」と「名探偵コナン」。新劇場版の効果か今回から単独ジャンルコードになった影響か、ガルパンは予想をやや越える増加でした。またコナンは映画『名探偵コナン ゼロの執行人』が上映された4月頃からpixivで投稿が増えており、コミケ申し込みがpixivに先行したようです。

 逆に増加を予想して減少したのは「おそ松さん」と「けものフレンズ」。ネット人気が強く出るタイプの作品のようです。サークル数の予想を外したうち、「TIGER&BUNNY」「黒子のバスケ」は予想よりは持ちこたえたかたち。逆に「あんさんぶるスターズ!」は予想以上の減少。また秋アニメ人気の「宝石の国」は元が少ないので7倍以上の大幅増ではありますが、予想ほどのサークル数ではなかったようです。

コミケ93→94でのサークル数変化予想結果【「ハイキュー!!」のサークル数は正しくは308でした】

 ほかはおおむね予定通りの増減です。「Fateシリーズ」は今回3%程度の増加。「東方Project」も同程度の増加でした。東方はひさびさの増加です。艦これ・アイマスは1割以上の減、ラブライブは今回ほぼ現状維持でした。「VOCALOID」も4%の増です。

 圏外ではアニメがいま好評の「僕のヒーローアカデミア」が増加。また2017年末からヒットした「バーチャルYouTuber」はすでに61サークルが参加していました。

男性向サークル数は今回もFateがトップ

 グラフ3で作品が該当するジャンルコードと、その他のジャンルコードで分けたサークル数をグラフにしてみました。

 ジャンルコード「男性向」は今回も「Fateシリーズ」がトップ。Fateの男性向はほぼ前回並みです。次いでまた減少した「艦隊これくしょん」、そして今回初の「アズールレーン」が三番手に入りました。以下「アイドルマスター」「ガールズ&パンツァー」「グランブルーファンタジー」「ラブライブ!」と並びます。ちなみに「バーチャルYouTuber」も比較的多かったです。

 なお「東方Project」で同様の傾向(男性向)のサークルは、これまでも紹介している通りジャンルコード「東方Project」内で主に申し込まれ、こちらは少ないです。

 作品サークル中の「男性向」ジャンルコードの比率ではアズールレーンが約3分の1、バーチャルYouTuberが約半数と顕著です。その他ではFateがやや減、ほかのタイトルも男性向けは減らしています。

 ジャンルコード全体の動きとしてはアズレン人気で「ゲーム(ネット・ソーシャル)」が6割増。ほかVRやVOCALOID・バーチャルYouTuber人気もあってか「同人ソフト」「デジタル(その他)」が増えています。

 「FC(ジャンプその他)」ほかの週刊少年ジャンプ関連は今回も低下。ほか今回「あんさんぶるスターズ!」「おそ松さん」「ガンダム」「血界戦線」などが減少しています。

 ジャンルコード別のサークル数の細かい数字はブログにてすでに公開していますのでそちらをご参照ください。

グラフ2と同様、各作品のサークル数を、申込みジャンルコードについて通常誘導される該当ジャンルコード、男性向、それ以外(コスプレ等)で分けた積み上げグラフ。「Fateシリーズ」「艦隊これくしょん」「アズールレーン」「アイドルマスター」「ガールズ&パンツァー」「グランブルーファンタジー」「ラブライブ!」で男性向での参加が多い【「ハイキュー!!」のサークル数は正しくは308でした】

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