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お手軽オーバークロックで5GHz突破にチャレンジしてみました

8086K搭載BTOならベストバイ!? 静音PC「Silent-Master」の実力

2018年06月29日 17時00分更新

文● 宮里圭介 ●編集 ジサトラカクッチ

提供: サイコム

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 今年の6月5日、「COUMPUTEX TAIPEI 2018」にて発表された新CPUが「Core i7-8086K Limited Edition」(以下、Core i7-8086K)。現在のCore iシリーズまで続く「8086」シリーズ最初のCPU、「Intel 8086」の40周年を記念したもので、6コア12スレッド、最大動作クロックが5GHzという強力な性能を持つ製品だ。

名称は、もちろん「Intel 8086」にちなんで付けられたもの。第8世代Coreとなるのは、Core i7-8700Kなどと同じだ。

 発売は6月8日と発表からわずか3日後だったが、サイコムは即日BTOメニューに追加。ゲーミングPCを中心に、全11機種で最新CPUを搭載したBTOパソコンが購入できるようになっている。このCPUを搭載したモデルのうち「Silent-Master Pro Z370」を試すことができたので、この高速&静音を実現したBTOパソコンについて、詳しくチェックしていこう。

最新CPUをいち早く試せるのがBTOパソコンのいいところ。搭載可能な機種も多岐にわたる。

そもそも「Core i7-8086K」ってどんなCPUなの?

 40周年記念で動作クロックが高いCore i7-8086Kだが、従来からあるCore i7-8700Kとどこが違うのだろうか。スペックを詳細に見ていくと、ビジネス向け機能の一部が無効となっているものの、それ以外の基本的な部分、例えばコア数、対応メモリークロック、内蔵GPU、キャッシュ容量などといったものはすべて同じ。大きく違う点といえば、ベース動作クロックとターボブースト時の最大動作クロックがそれぞれ0.3GHzずつ引き上げられているという点だ。

インテルが公開しているCPU情報から引用。動作クロックがベース、ターボブーストそれぞれ0.3GHzずつ高くなっている。

 細かな考察は、加藤勝明氏の記事「Core i7-8086Kを速攻で全コア5GHz OCしてCore i7-8700Kと比べてみた」に詳しいのでここでは割愛するが、Core i7-8700Kの優良個体を高クロックで動作させたもの、と考えてよさそう。もっと単純に言えば、Core i7-8700Kの高クロックモデルが登場した、ということだ。

 注目したいのが、TDPが95Wのままという点だ。動作クロックを上げると単純に消費電力が高くなるし、また動作を安定化させるためコア電圧を上げることになれば、さらに消費電力が高くなる。消費電力が高くなればそのぶん発熱も増えるため、今まで以上に冷却する必要があり、TDPが引き上げられるというのが通常だ。実際、Core i7-8700のTDPは65WだがCorei7-8700Kは95Wということからも、とくに高クロックで動作させる場合にはTDPが高く設定されているのがわかるだろう。

 しかし、Core i7-8086KはTDPが95Wのまま据え置きなのだ。これは、Core i7-8700Kと比べて動作クロックは上昇しているにもかかわらず、発熱量はあまり変わっていない、つまり、Core i7-8700Kよりもオーバークロック耐性の高さに期待できる、ということにほかならない。それだけに、自作PCファンから熱い視線を送られているCPUとなっている。

「HWiNFO」でCPU情報を見てみると、6コア12スレッドで定格4GHz、最大5GHz、TDP95Wというのが確認できた。

 単純に、TDPを引き上げると対応するマザーボードやCPUクーラーといった関連製品に問題が起こるかもしれないといった販売面でのデメリットがあること、数量限定モデルなのに特別な対応をメーカーに求めるのが難しいといった大人の事情もあるかもしれないが、それはそれとして、興味深いCPUであることは間違いない。

「Silent-Master Pro Z370」の最大の魅力は空冷&静音

 今回試したのは、静音仕様の「Silent-Master Pro Z370」にCore i7-8086Kを搭載したモデルだ。基本仕様からCPUのほか、マザーボードをASUSの「PRIME Z370-A」、メモリーを16GB、SSDを「Colorful SL500 320GB」、グラボをASUSの「STRIX-GTX1080-A8G-GAMING」へと変更したモデルとなる。

 CPUクーラーはNoctuaの「NH-U12S」を採用。これはサイドフローの大型CPUクーラーで、空冷ながらも静音性に優れ、強力な冷却能力をもっていることで人気が高い製品だ。静音PCといえば簡易水冷が定番となるが、それに勝るとも劣らない。とくにアイドル時はポンプの音がないぶん、静音性がより高くなる。

CPUクーラーは静音性に優れた「NH-U12S」。高負荷時でもファンは静かなままだが、しっかりとした風量でCPUを冷やしてくれる。

 静音PCであればCPUも発熱の少ないミドルクラスを選んで静音性を高くする、というのが定番だが、今回はあえて貪欲にCorei7-8086K搭載し、最高性能を低騒音で使いたいという要望に応えた構成となっている。

 空冷CPUクーラーを採用したこの構成でしっかりと5GHzの性能が出せるのかのチェックと、そしてさらにOCでどこまで性能を高められるのかに挑戦していこう。

Silent-Master Pro Z370 評価機構成
CPU Intel Core i7-8086K(6コア8スレッド、定格4GHz、最大5GHz)
CPUクーラー Noctua NH-U12S(空冷)
マザーボード ASUS PRIME Z370-A(Intel Z370)
メモリー 16GB(8GB×2、DDR4-2400)
SSD Colorful SL500(320GB)
光学ドライブ ASUS DRW-24D5MT
グラフィックス ASUS STRIX-GTX1080-A8G-GAMING(GeForce GTX1080)
PCケース Antec P100(前面背面Noctuaファン)
電源ユニット Corsair RM650x(650W、80PLUS GOLD)
OS Windows10 Home (64bit) DSP版
直販価格 26万2510円

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