このページの本文へ

マザーボードとビデオカードはASUS、ケースはFractal Design

DeToNatorコラボPCはパーツ選定手抜かりなしでPCゲームの定番性能

2018年06月21日 07時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「G-Master Spear B360AS-Mini-DTN」

 世界を含め多数のe-Sports大会や、ストリーミングで活躍するプロゲーミングチームの「DeToNator」。そんなDeToNatorとサイコムがコラボしたゲーミングパソコンは、ゲーミングの定番といえる仕上がりになっている。

 今回新しく登場した「G-Master Spear B360AS-Mini-DTN」は、ケースに強化ガラスサイドパネルを装備した「Fractal Design Define Mini C Black TG」を採用している。今までよりもスタイリッシュに、そしてシンプルながらも美しいデザインへと変化しているのがポイントとなっている。今回は、G-Master Spear B360AS-Mini-DTNをチェックしていこう。

気になるゲーミング性能を定番ベンチでチェック

 G-Master Spear B360AS-Mini-DTNの特徴は、CPUにCore i5-8400、GPUにGeForce GTX 1060を搭載するミドルクラスのゲーミングパソコンながら、14万6590円からと購入しやすい価格におさえられている点。とはいえ、マザーボードにASUSの「PRIME B360M-A」、ビデオカードに同じくASUSの「STRIX-GTX1060-DC26G」を装備するなど、パーツ選定に手抜かりはない。

 また、CPUの冷却にはCoolerMaster製の「Master Air MA410P」を採用。サイドフローの空冷CPUクーラーで、背面ケースファンと並んでおりCPUの熱を拡散させずにケース外へと排出できるよう工夫されている。

ケースファンの位置はCPUクーラーと高さがしっかり合わせられており、熱風をそのままケース外まで運んでくれる

 新ケースの採用で外見の変化なども気になるが、ゲーミングPCということもあって、それ以上に気になるのがPCの性能だ。ということで、定番のベンチマークソフトを使って性能をチェックしてみよう。

 まずは定番の「CINEBENCH R15」。CGのレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるベンチマークソフトで、独自の「cb」という単位でスコアを表示してくれる。スコアが高ければ高いほど、CPUが高性能という結果になる。分散処理に向いた用途となるため、性能はコア数に比例して上昇していく傾向がある。

「CINEBENCH R15」で純粋なCPU性能をチェック。スコアは全コアを使う「CPU」で944cb、1つのコアだけを使う「CPU(Single Core)」で174cbと高い

 全コアを使うCPUのスコアは、944cb。Core i7-7700Kのスコアが970cb前後となるため、第7世代Coreのハイエンドモデルに近い性能が出ている。Core i5-8400は型番こそ「i5」となっているものの、中身は6コア6スレッドのCPUなので、4コア8スレッドのCore i7-7700Kと肩を並べる性能となっている。これだけの性能があれば、ほとんどの3Dゲームで十分だといえるだろう。

 ちなみに同じ第8世代Coreの上位モデルとなるCore i7-8700Kのスコアは1440cb前後。6コア12スレッドCPUなだけに、性能は約1.5倍にまで上昇している。将来性能が足りなくなった場合でも、CPUの換装でここまで高速化できるというのは心強い。

 続いて3Dグラフィック性能のチェックとして「3DMark」をみてみよう。3Dグラフィック性能を測るのに定番のベンチマークソフト。このうち、DirectX 11を利用した「Fire Strike」を試してみた。

3DMarkは多数のテストが用意されているが、軽めのテストとなるFire Strikeでチェック。スコアは11000を超え、ミドルクラスとしては十分な性能となった

 結果は総合スコアで11259。Core i7-8700KとGeForce GTX 1080 Tiを搭載するハイエンドクラスでは20000前後までスコアが伸びるので、それと比べてしまうと見劣りするが、ミドルクラスのゲーミングパソコンとしては十分な成績だ。

 ゲームをベースにしたベンチマークテストとして、比較的軽めな3Dゲームの動作目安となる「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下、FF14ベンチ)と、グラフィックの重たいゲームの動作目安となる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチ)を試してみよう。

FF14ベンチは、スコア7000以上で評価が「非常に快適」となる。フルHD、最高品質、フルスクリーンで試してみたところ、スコアは12452となった

FF15ベンチは、スコア4500~5999で「やや快適」、6000~8999で「快適」となる。フルHD、標準品質、フルスクリーンで試すと、6897の「快適」という結果に

 FF15ベンチは重たいテストとなるため、画質は標準品質のままでテスト。FF14は軽いテストなので、最高品質に設定している。結果はFF14のスコアが12000を超え、ミドルクラスとしては結構高めな値となり、余裕の「非常に快適」という評価だ。これに対してFF15ベンチは重たいこともあってスコアは6897止まり。とはいえ評価は「快適」であり、ゲームプレーに支障がないレベルだ。

 CPUが足を引っ張らないかと少々気になっていたが、さすが6コア6スレッドだけあって、よほどCPU重視のゲームでない限りは問題なさそうだ。過去の計測データとなるが、CPUはCore i7-8700と上位モデル、グラフィックは同じGeForce GTX 1060を搭載した小型ゲーミングパソコンのスコアを見てみたところ、FF14ベンチで12487、FF15ベンチで6442となっており、ほぼ互角どころかFF15に至っては上回る結果になっていた。小型パソコンでは熱によってGPUやCPUの最大動作クロックが下がってスコアが低めになる点を考慮しても、CPUの差は大きくないというのはわかるだろう。

 ちなみに、標準品質で「快適」なら高画質ならどのくらいになるのかと思い、高画質設定でFF15ベンチを動かしてみたところ、スコア5252の「やや快適」という結果になった。シーンによってはゲームに影響あるとは思うが、高画質設定でも十分遊べるだけの性能がある。

高画質でのベンチ結果は「普通」よりもひとつ上の「やや快適」。ミドルクラスのゲーミングパソコンでここまで性能が出れば、かなり優秀といえる

見た目のデザインも使いやすさも優れたミニケース

 ケースは人気のDefine Miniシリーズで、サイドパネルに強化ガラスを採用したモデル。中のケーブルがぐちゃぐちゃしていると、むしろガラスよりも中身が見えない普通のサイドパネルの方がいいと感じてしまうが、このケースには電源や3.5インチベイを隠せるカバーがあるほか、サイコムが得意とする整ったケーブル処理によって、内部は非常にすっきりとしている。

裏面配線も駆使され、内部はほとんどケーブルが見えずすっきりとしている。ガラスパネル越しのパソコンの内部が美しい

 もうひとつガラスサイドパネルでうれしいのが、CPUクーラーとLEDテープが光る点。ゲーミングパソコンらしさのあるライトアップ機能が使えるので、ケース内部にこだわりたいという人にはうれしい機能だろう。

 もちろんDefineシリーズらしく、上部にUSBやヘッドフォン端子、底面にメンテナンスしやすい吸気フィルターを装備するなど、使いやすさにもこだわりがある。

 DeToNatorコラボモデルだけあって、ゲーミングパソコンとしての実用性はもちろんだが、コンパクトさ、使いやすさ、そして見た目の美しさまでこだわった1台。G-Master Spear B360AS-Mini-DTNは、使って満足、見て満足、そして買って満足できる製品といえるだろう。

試用機の主なスペック
機種名 G-Master Spear B360AS-Mini-DTN
CPU Core i5-8400(2.8GHz)
グラフィックス GeForce GTX 1060(6GB GDDR5)
メモリー 8GB
ストレージ 320GB SSD
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース USB 3.1端子×2、USB 3.0端子×2、USB 2.0端子×2、USB Type-C端子、DisplayPort×2、HDMI 2.0端子、DVI-D端子、有線LAN端子、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子、8CHオーディオポート、PS/2端子×2
サイズ およそ幅212×奥行399×高さ399mm
OS Windows 10 Home(64bit)

■関連サイト

カテゴリートップへ