仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第32回
Build 2018 特別号外:Office 365関連の新発表まとめ
社内に増殖するExcelの“野良マクロ”を駆逐する新機能が登場
2018年05月09日 11時00分更新
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回は番外編として、Microsoftが2018年5月7日(現地時間)からワシントン州シアトルで開催している年次カンファレンス「Build 2018」で発表されたOffice 365関連の新機能を紹介する。Buildは開発者イベントなので、自社製アプリケーションの機能拡張やビジネスソリューションの改善といったデベロッパー視点で新発表に注目が集まりがちだが、実はOffice 365のエンドユーザー向け機能の追加も多く発表されている。
本稿では特に、Build 2018の1日目・2日目キーノートで発表されたOffice 365関連のエンドユーザーのための新機能を紹介する。
「Payments in Outlook」発表
まず、Outlook内からMicrosoft Pay(Wallet)を通じてオンラインショッピングの支払いを行う「Payments in Outlook」が発表された。Build 2018初日の基調講演では、同じくOutlookを通じて、GitHubのリポジトリに関するコメントやプルリクエストへの応答を可能にする「Adaptive Cards」を紹介していたが、Payments in Outlookも同じロジックを使っていると見られる。
共通した方法でカードコンテンツを交換するAdaptive Cardsを用いることで、ツールを切り替えることなく一貫した操作が可能になり、作業への集中力を高める狙いがあるのだろう。
「Microsoft Teams」の機能強化
コラボレーションツール「Microsoft Teams」の機能強化が発表された。Microsoft Teams新しいMicrosoft Graph APIを提供したほか、Power BIダッシュボードによる投稿数の可視化機能、SharePointと同じ機能を提供する「SharePoint pages in Microsoft Teams」が追加されている。
ほかにも、Azure Bot Serviceと連携したボット機能の強化や、Adaptive Cardsによるアクションの実行、メッセージ拡張など多くの機能強化を図っている。
企業内の“野良マクロ”を駆逐するExcelの新機能
Excelに、ビジネスロジックを一変させる新機能が登場した。JavaScriptベースでExcelの機能拡張を作成し、管理センター経由でOffice 365を利用する特定のユーザーへ配布可能とする。企業内に多数存在するVBAを使った“野良マクロ”を駆除する有益な機能と言える。
「Microsoft Graph」のアップデート
Office 365特定の機能ではないが、Microsoft Graphの全方位的展開にも注目したい。Microsoft GraphにUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリからアクセスする「Microsoft Graph UWP Controls」の提供開始、データモデルをWebサービスとして表示する「Spredseets in Graph」など、Build 2018で多くの新機能が披露された。
この連載の記事
-
第100回
Team Leaders
Office 365の更新チャネル名が“また”変更へ -
第99回
Team Leaders
今さら聞けないMicrosoft Teamsの便利な機能 -
第98回
Team Leaders
進化するMicrosoft Teams――2020年4月に追加された新機能を紹介 -
第97回
Team Leaders
SlackからTeamsを呼び出すアドオン、Teamsのカスタム背景画像を試す -
第96回
Team Leaders
WSLでWord文書ファイルをテキスト化する -
第95回
Team Leaders
中堅中小企業向けOffice 365もMicrosoft 365へ -
第94回
Team Leaders
共有メールボックスでOutlookのメール容量を2倍に -
第93回
Team Leaders
見送られたMicrosoft SearchでのBingの強制利用 -
第92回
Team Leaders
外部との仕事がはかどるOneDrive for Businessの「ファイル要求」 -
第91回
Team Leaders
Office 365でシンプルなタイトルバーを復活させる -
第90回
Team Leaders
Excelの新自動化ソリューション「Office Scripts」プレビュー版が登場 - この連載の一覧へ